映画『ホーム・アローン』はなぜ面白いのか-アメリカのネグレクト事情から考える-

2021年12月23日

(廣瀨 涼) 消費者行動

■要旨

クリスマスまであと数日。筆者の1番好きなシーズンの到来である。部屋にはクリスマスツリーが飾られ、1日中クリスマスソングが流れ、25日の訪れを心待ちにしている。日本においては24日に合わせて恋人とデートをしたり、家族でパーティーをしてプレゼントを交換し合う事がクリスマスのイベントとして定着しているが、筆者のオススメはクリスマス映画を見ることである。数あるクリスマス映画の中で筆者が愛してやまないのが『ホーム・アローン』シリーズである。『ホーム・アローン(Home Alone)』は、1990年に公開されたマコーレー・カルキン主演のコメディ映画である。ホーム・アローンの魅力は、主人公のケビンが家中に張り巡らせた罠で泥棒を撃退する過程にあり、8歳の少年に大の大人が翻弄されるシーンは老若男女問わず笑うことができる。しかし、我々日本人とは異なり、映画ストーリーの本国となるアメリカ人にとっては、手放しでこのシチュエーションを笑えない実情がある。米国では、子どもに留守番させてはいけない暗黙のルールが存在する。というのも、子どもを留守番させること自体が児童虐待と見なされる可能性があるからである。本レポートではアメリカにおけるネグレクト事情を「子どもだけの留守番」という視点から整理し、「ホームアローンがなぜ面白いのか」その視点から考える。

■目次

1――ホーム・アローン
2――ウォルト・ディズニー・カンパニーによる21世紀フォックスの買収
3――米国のネグレクト問題
4――ベビーシッターとナニー
5――なぜホーム・アローンは面白いのか

生活研究部   研究員

廣瀨 涼(ひろせ りょう)

研究領域:暮らし

研究・専門分野
消費文化、マーケティング、ブランド論、サブカルチャー、テーマパーク、ノスタルジア

経歴

【経歴】
2019年 大学院博士課程を経て、
     ニッセイ基礎研究所入社

・令和6年度 東京都生活文化スポーツ局都民安全推進部若年支援課広報関連審査委員

【加入団体等】
・経済社会学会
・コンテンツ文化史学会
・余暇ツーリズム学会
・コンテンツ教育学会
・総合観光学会

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