森林火災リスクの高まり-火災のモデル設計をどう進めるか

2021年08月10日

(篠原 拓也) 保険計理

■要旨

森林火災の被害が世界中で多発している。2021年には、これまでにアメリカ、カナダ、ロシア、トルコ、ギリシャなどで大規模な森林火災が発生している。こうした火災は、近年、毎年のように発生している。その背景には、気候変動に伴う地球温暖化の影響があるとみられている。森林火災の多発は、損保の火災保険等で、給付支払いの増大につながる。本稿では、森林火災の状況と保険への影響についてみていくこととしたい。

■目次

1――はじめに
2――森林火災とその影響
3――森林火災の発生要因
  1|WUIでの開発が森林火災多発の要因とみられている
  2|WUI以外の要因にも注意が必要
4――森林火災への対策
  1|防火計画は、火災危険区域の詳細なマップ作成がカギ
  2|森林火災のモデル設計基準は未確立
  3|森林火災のモデル設計にはさまざまな困難が伴う
  4|火災の多発がモデル設計を促進する可能性も
5――立法措置と保険会社の対応
6――おわりに (私見)
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