(1) 「トップダウン・アプローチ」による推計
「トップダウン・アプローチ」は、GDPと不動産ストックには強い相関関係があるという仮定に基づき、GDPに占める「収益不動産」の割合を設定して資産規模を推計する手法である。「トップダウン・アプローチ」の事例として、「PGIM Real Estate」による推計4が挙げられる。「PGIM Real Estate」の推計対象は、機関投資家を対象にした投資用不動産 (「institutional-grade real estate」)と定義されている。「institutional-grade real estate」に関して、詳細内容は公表されていないが、投資適格性の高い不動産のストック量を示すものと考えられる。
「PGIM Real Estate」の推計では、まず、世界各国を「国民一人あたりのGDP」を選別基準として、「先進国」と「先進国以外の国」に分ける。次に、「先進国」を対象に、GDPに占める投資用不動産の割合を45 %と仮定した上で5、「投資不動産」の資産規模を計算している。