オフィス市場は調整色が強まる。コロナ再拡大がホテル・商業の回復に打撃。-不動産クォータリー・レビュー2020年第4四半期

2021年02月08日

(佐久間 誠)

■要旨
 
  • 1月8日の緊急事態宣言の再発令によって、回復途上にあった経済の正常化がまた遠のいた。オフィス市場での調整色が強まり、不動産市場におけるコロナ禍の影響も色濃くなるであろう。
     
  • 2020年10-12月期の実質GDPは2四半期連続のプラス成長が予想されるが、2021年1-3月期はマイナス成長に転じる見通しである。
     
  • 2020 年10-12 月期の新設住宅着工戸数は前年同期比▲7.0%減少、首都圏のマンション新規発売戸数は+1.9%増加、中古マンションの成約件数は+11.8%増加した。
     
  • 東京Aクラスビルの2020年第4四半期の成約賃料は前期比▲8.9%下落し、2017年第4四半期以来の水準に低下。東京23区のマンション賃料は底堅さを維持している。ホテル市場では2020年10-12月の延べ宿泊者数が前年同期比▲34.5%となり厳しい状況が続いている。物流施設市場では、旺盛なEC関連需要を背景に、首都圏・大阪圏ともに需給が引き締まり、賃料も緩やかに上昇している。
     
  • 2020第4四半期の東証REIT指数(配当除き)は9月末比3.3%上昇、2020年全体では前年比▲16.9%下落した。
■目次

1. 経済動向と住宅市場
2. 地価動向
3. 不動産サブセクターの動向
  (1) オフィス
  (2) 賃貸マンション
  (3) 商業施設・ホテル・物流施設
4. J -REIT(不動産投信)市場・不動産投資市場
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