Z世代の情報処理と消費行動(4)-若者マーケティングに対する試論(2)

2020年02月21日

(廣瀨 涼) 消費者行動

■要旨

前回のレポートで筆者は、若者を属性でセグメンテーションすることは困難であり、代わりに「クラスタ」を用いたターゲティングを提案した。若者文化の文脈では「クラスタ」とは"仲間や〇〇が好きな人たち"という意味で「オタク」と同義で使われている。

併せて、若者はオタクという言葉自体を"趣味"という意味合いで使用するため、オタクを趣味から転じてアイデンティティと同義で使っている。以上を整理するとクラスタはZ世代にとって「アイデンティティ」を構築するものであるといえる。

本レポートでは、クラスタがアイデンティティを補完するという点に着目し、クラスタを用いたターゲティングの有用性について論じる。

■目次

前回の要約
1――若者が持つ複数の顔
2――一人の消費者は多様な"ハッシュタグ"で構成されている
3――アイドルオタクもアニメオタクもK-popオタクも共有しているものとは
4――まとめ

生活研究部   研究員

廣瀨 涼(ひろせ りょう)

研究領域:暮らし

研究・専門分野
消費文化、マーケティング、ブランド論、サブカルチャー、テーマパーク、ノスタルジア

経歴

【経歴】
2019年 大学院博士課程を経て、
     ニッセイ基礎研究所入社

・令和6年度 東京都生活文化スポーツ局都民安全推進部若年支援課広報関連審査委員

【加入団体等】
・経済社会学会
・コンテンツ文化史学会
・余暇ツーリズム学会
・コンテンツ教育学会
・総合観光学会

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