1|オプションの内容
EIOPAは、以下の5つのオプションを提案しており、それらの内容は以下の通りである。
オプション1:変更なし
オプション2:ユーロについてはLLPを20年のままとし、以下の追加的なセーフガードを第2の柱と第3の柱に導入する。
・保険及び再保険会社は、ユーロのLLPを50年まで延長した場合の所定の感応度分析を実施し、その結果を定期監督報告(RSR)に含めることを要求される。
・会社は、透明性と市場規律を促進するために、この感応度分析の結果をSFCRで報告する。
・LLPを50年まで延長した場合に会社がSCR又はMCRを満たしていない場合、会社は、NSAsからの要請に基づき、配当支払又はその他の任意の資本分配が保険契約者及び受益者の保護を危険にさらさないことの証拠を提供すべきである。NSAsが会社の論証に納得しない場合、NSAsは、当該会社のソルベンシー・ポジションが持続可能であることを確保するために、資本分配を制限又は留保することができる。
なお、LLPの決定基準、特に債券市場に関する基準は変更されない。
オプション3:ユーロのLLPを30年に延長
このオプションは、一方では、技術的準備金の市場整合性を改善し、問題のあるリスク管理インセンティブを回避すること、他方では、技術的準備金と自己資本の安定性とのバランスを取ることを目的としている。
オプション2と同じ追加的なセーフガードを第2の柱と第3の柱に導入する。
オプション4:LLPを50年に延長
このオプションは、厚み・流動性・透明性の高い市場でスワップが取引される最長期間を50年としたユーロスワップ市場のDLT評価の結果と一致している。
オプション5:代替補外法を採用、第2の柱又は第3の柱における追加的な要件の助けを借りて、リスク管理インセンティブに関して特定された問題を対象とする。
代替補外法は、現在のLLPを超える市場データを考慮に入れる。代替補外法ではLLPが参照される。
・保険会社及び再保険会社は、LLP、この方法ではFSP(First Smoothing Point)の、スワップの最終DLT満期までの期間への延長(ユーロについては、FSPの20年から50年への延長)について、所定の感応度分析を実施し、その結果を定期監督報告(RSR)に含めることを要求される。
・会社は、透明性と市場規律を促進するために、この感応度分析の結果をSFCRで報告する。
・FSPがスワップの最終DLT満期に移行した場合に会社がSCR又はMCRを満たしていない場合、会社は、NSAsからの要請に基づき、配当支払又はその他の任意の資本分配が保険契約者及び受益者の保護を危険にさらさないことを示す証拠を提供すべきである。NSAsが会社の論証に納得しない場合、NSAsは、当該会社のソルベンシー・ポジションが持続可能であることを確保するために、資本分配を制限又は留保することができる。
これらのオプションがリスクフリー金利の期間構造に与える影響は、以下のグラフの通りとなる。