各国別にみてみると、米国は、トップを堅持しているものの、2024年時点では2位の中国の2倍近い水準(米国8,608億ドル、中国4,568億ドル)となっているのに対し、2035年には中国が8割強の水準に迫っている。また、2024年には第9位だったインドは、2035年には英国に次いで第4位に、日本はそれらに続いて第5位になることが予想されている
5,6。
アリアンツは、2025年の世界のGDP成長率は、2.3%と、パンデミック以来の低水準に落ち込むと予想している
7。米国のトランプ関税や、地政学的要因等を背景に、世界的な不確実性は、パンデミック時並みに高まるとされている。
政治・経済面における世界的な不確実性が高まる中で、世界の生保マーケットは、先が見通しにくい状況となっており、今後も引き続き注視して参りたい。
5 インドは、図表2の参考で示したとおり、昨年の「Allianz Global Insurance Report 2024」では、2034年には第3位になることが予想されていた。また、表にはないが、「同 2023」における2033年予測でも、第3位とされていた。
6 一方、フィッチ(Fitch Solutions Group Limited, BMI)による2034年の生保収入保険料予測によれば、トップの米国(11,301億ドル、2024年からの平均増加率4.2%)に続いて、中国(6,082億ドル、同4.4%)、日本(4,744億ドル、同5.4%)、英国(3,266億ドル、同2.6%)、フランス(2,324億ドル、同1.8%)、カナダ(2,282億ドル、同6.5%)、インド(2,020億ドル、同7.4%)、ドイツ(1,850億ドル、同6.5%)、イタリア(1,782億ドル、同5.0%)、韓国(1,219億ドル、同3.9%)となっている。当予測では、2034年においても依然として米国は中国の2倍近い(1.86倍)水準となっており、両者の差は大きい。また、日本は第3位、インドは第7位となっており、予測主体によって、結果も区々である。
7 なお、IMFによる2025年の世界GDP成長率は、2.9%となっている。(IMF「World Economic Outlook database: April 2025」の数値より、筆者にて計算。)