基礎年金の底上げ策に伴って厚生年金の補てんを求めるのは妥当か~年金改革ウォッチ 2025年4月号

2025年04月08日

(中嶋 邦夫) 公的年金

■要旨

ポイント解説:基礎年金の底上げ策に伴う厚生年金の水準低下に求められる丁寧な説明
3月下旬に開かれた自民党の会議では、連合が基礎年金の底上げ策に伴う厚生年金の水準低下に懸念を示し、経団連や日本商工会議所が丁寧な説明を求めた。本稿では、同案の要点と影響が生じる要因を確認し、水準低下の補てんを求める意見を考察する。

■目次

1 ―― 先月の動き
2 ―― ポイント解説
 :基礎年金の底上げ策に伴う厚生年金の水準低下に求められる丁寧な説明
  1|現行制度の要点
   :基礎年金(1階)の将来水準を決めてから、厚生年金(2階)の将来水準を決定
  2|基礎年金底上げ策の影響と評価
   :厚生年金の調整期間は延びるが、低所得者ほど目減りが大きくなる問題を解決
  3|給付水準低下の補てんを求める意見の考察
   :出生動向や今後の見直しの論点を踏まえた慎重な検討が必要

保険研究部   主席研究員・年金総合リサーチセンター 公的年金調査部長 兼任

中嶋 邦夫(なかしま くにお)

研究領域:年金

研究・専門分野
公的年金財政、年金制度全般、家計貯蓄行動

経歴

【職歴】
 1995年 日本生命保険相互会社入社
 2001年 日本経済研究センター(委託研究生)
 2002年 ニッセイ基礎研究所(現在に至る)
(2007年 東洋大学大学院経済学研究科博士後期課程修了)

【社外委員等】
 ・厚生労働省 年金局 年金調査員 (2010~2011年度)
 ・参議院 厚生労働委員会調査室 客員調査員 (2011~2012年度)
 ・厚生労働省 ねんきん定期便・ねんきんネット・年金通帳等に関する検討会 委員 (2011年度)
 ・生命保険経営学会 編集委員 (2014年~)
 ・国家公務員共済組合連合会 資産運用委員会 委員 (2023年度~)

【加入団体等】
 ・生活経済学会、日本財政学会、ほか
 ・博士(経済学)

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