2-2│就業者数の職業別ランキング
次に、ミドルが就いている具体的な職種を確認する。同じく総務省の「労働力調査」(2024年)より、「45~49歳」と「50~54歳」の就業者数を職業別にランキング(「45~49歳」の就業者数による順位付け)したものが図表3である。なお、「就業者」には、自営業者や企業の役員なども含まれる。
まず男性について見ると、「45~49歳」では就業者420万人のうち、「専門的・技術的職業従事者」(開発・設計など)と「生産工程従事者」(生産工程で行われる仕事)と「事務従事者」がいずれも全体の2割弱で、ほぼ肩を並べている。トップの「専門的・技術的職業従事者」の内訳を見ると、「技術者」、「保健医療従事者」(医師や看護師、理学療法士など)、「教員」、「その他の専門的・技術的職業従事者」(研究者、弁護士、保育士など)の4分類のうち、「技術者」が半数以上を占めている。
4位は「販売従事者」であり、その内訳を見ると、「商品販売従事者」(販売店員など)、「販売類似職業従事者」(不動産仲介など)、「営業職業従事者」(金融・保険営業職業従事者、医薬品営業職業従事者など)の3分類のうち、「営業職業従事者」が大部分である。
次に「50~54歳」を見ると、首位が入れ替わって「事務従事者」が最大の82万人に上る。次いで「生産工程従事者」、3位が「専門的・技術的職業従事者」である。この三つは男性全体でも三大職業であり、ミドル男性でもやはり三大職業である。
就業者数に対する各職業の構成割合は、「45~49歳男性」も「50~54歳男性」も大きな違いはないが、「管理的職業従事者」に関しては「50~54歳」の方が、構成割合が0.7ポイント高い3.3%である。因みに、男性の中で最も「管理的職業従事者」の割合が高くなる年齢階級別は「60~64歳」(5.4%)である。また、タクシー運転手を含む「輸送・機械運転従事者」も「45~49歳」よりも「50~54歳」の方が1.3ポイント上昇して7.0%となる。因みにタクシー運転手は、役職定年や定年退職後に入職する男性も多く、年齢階級別でみると「輸送・機械運転従事者」の構成割合は「65~69歳」で最も高い9.4%となる。
次に女性について見ると、「45~49歳」では就業者358万人のうち、最大の119万人が「事務従事者」であり、全体の3割を超える。事務は、女性の25歳から60歳未満のすべての年齢階級で3割前後を占めており、女性の最大の職業であるが、中でも就業数に占める構成割合が最大となるのが「45~49歳」の33.2%である。2位は「専門的・技術的職業従事者」だが、内訳を見ると、男性と違って、半数近くが「保健医療従事者」(医師や看護師、理学療法士など)、3割強が「その他の専門的・技術的職業従事者」(研究者、弁護士、保育士など)であり、「技術者」は1割未満だった。
女性の「50~54歳」でも、やはり「事務従業者」がトップで、全体の3割以上を占める。その内訳を見ると、「一般事務従事者」、「会計事務従事者」、「その他の事務従事者」の3分類のうち、「一般事務従事者」の構成割合は「45~49歳」より下がるが、「会計事務従事者」は上がる。同じ事務職の中でも、「一般事務」に就く女性の方が、離職が早いと言えそうだ。「50~54歳女性」の職業の2位も「45~49歳」と同様に、「専門的・技術的職業従事者」であり、やはり、内訳は「保健医療従事者」と「その他の専門的・技術的職業従事者」が多い。
就業者数に対する各職業の構成割合を、「45~49歳」と「50~54歳」で比較すると、「50~54歳」の方が、「専門的・技術的職業従事者」が2.2ポイント低下するのに対し、介護サービス職業従事者などの「サービス職業従事者」は1.5ポイント上昇する。