保険会社の清算に向けた動きの例(2)(欧州)-NOVIS (スロバキア) の状況に応じた、EIOPAから保険契約者へのアドバイスなど

2025年03月03日

(安井 義浩) 保険計理

■要旨

2023年6月1日、スロバキア国立銀行(NBS)は、保険会社NOVIS(いくつかのグル-プ会社を含む)の認可を取り消し、関連する管轄のスロバキアの裁判所に「NOVISを解散し、清算人を任命し、清算手続きを開始すること」を申し立てたが、今日にいたるまで、清算人は任命されておらず、事態は進展していない。こうした事態に対して、EIOPA(欧州保険・企業年金監督機構)は、可能な限り保険契約者を保護する観点から、2025年1月15日、事態の説明と今後の方針についてのアドバイ公表した。

■目次

1――はじめに
2――文書の内容
  1|何が起きたか
  2|現在のNOVISの状況は?
  3|なぜ国家監督局はNOVISの認可を取り消したのか?
  4|保険契約者のリスクは?
  5|いつNOVISの清算が始まるのか?
  6|NOVISの清算が開始された場合、保険契約者への影響は?
  7|保険料一時払の契約者よりも、通常払の契約者の方が大きなリスクがあるのか?
  8|NOVISの保険契約者はどうすればよいのか?
  9|保険契約者の取りうる方策は?
3――今後の動きについて

保険研究部   主任研究員 年金総合リサーチセンター・気候変動リサーチセンター兼任

安井 義浩(やすい よしひろ)

研究領域:保険

研究・専門分野
保険会計・計理、共済計理人・コンサルティング業務

経歴

【職歴】
 1987年 日本生命保険相互会社入社
 ・主計部、財務企画部、調査部、ニッセイ同和損害保険(現 あいおいニッセイ同和損害保険)(2007年‐2010年)を経て
 2012年 ニッセイ基礎研究所

【加入団体等】
 ・日本アクチュアリー会 正会員
 ・日本証券アナリスト協会 検定会員

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