確認には、いくつかのステップを踏む必要がある。数学でいう厳密な証明ではなく、以下は考え方の確認にとどめる。((参考資料)の「群論入門 - 対称性をはかる数学」芳沢光雄著(講談社, ブルーバックスB-1917, 2015年)の内容を参考としている。)
[ステップ(1)]
まず、ある置換が「ゴール」の状態を完成できる(以下、「完成可能」という)置換であったとき、その逆置換(「ゴール」の状態から「スタート」の状態に戻す置換)も完成可能となる。また、ある置換と別の置換がいずれも完成可能であったとき、その合成置換(複数の置換を続けて行うことでできる置換)も完成可能となる。
逆置換については、「スタート」と「ゴール」の状態を入れ替えたと思えば、完成可能と理解できる。
合成置換については、2つの置換を考えたときに、1つ目の置換を終えた後の「ゴール」の状態を、2つ目の置換を行う前の「スタート」の状態に入れ替えることで、完成可能となるとわかる。
[ステップ(2)]
次に、パズルの3つの場所u1, u2, u3のブロックを、他の3つの場所v1, v2, v3にそれぞれ移す置換で完成可能なものがあることを確認する。ただし、この場合、一番右下の空白部分(「ゴール」の状態の「16」の部分)を除いた、それ以外の場所については、どうなっても構わないとする。
まず、「ゴール」の状態における「1」「2」「3」の場所を1, 2, 3と呼ぶことにする。
そして、(3つの場所u1, u2, u3のブロックを、他の3つの場所v1, v2, v3にそれぞれ移す置換)は、(u1を1に、u2を2に、u3を3に移す置換)と、((v1を1に、v2を2に、v3を3に移す置換)の逆置換)の合成置換として表すことができる。
(u1を1に、u2を2に、u3を3に移す置換) と、(v1を1に、v2を2に、v3を3に移す置換)には、どちらも完成可能なものがあるので、それをとる。そして、ステップ(1)でみた、完成可能な置換の逆置換や合成置換は完成可能であるということを用いて、(3つの場所u1, u2, u3のブロックを、他の3つの場所v1, v2, v3にそれぞれ移す置換)には完成可能なものがあることがわかる。
[ステップ(3)]
続いて、3つのブロックa, b, cを考えたときに、aをbに、bをcに、cをaに移す置換(以下、「巡回置換」という)は完成可能となることを確認する。
これには、まず、「11」,「12」,「15」の3つのブロックからなる巡回置換が完成可能であることを確認する。次の左図で、「15」を下に、「12」を右に、「11」を上に、「15」を左に動かせば、完成可能であることがわかる。