賃貸住宅の断熱・遮音改修のススメ~家主にとっても入居者にとっても、地球温暖化対策にとっても意義のある賃貸住宅経営を目指して~

2024年06月24日

(塩澤 誠一郎) 土地・住宅

■要旨
 
  • 2025年4月1日から、原則全ての建築物について、省エネ基準適合が義務づけられる。適合義務の対象は、新築の場合建物の全て、増改築の場合は増改築を行う部分になり、建築確認の手続きの中で、適合が審査される。
     
  • これに先行して、本年4月1日より、省エネ性能ラベル表示制度が開始されている。建築物を新たに販売または賃貸する事業者に対し、その物件の省エネ性能を、国が定めた方法でラベル表示することを、努力義務とするものである。
     
  • これらにより、新築の賃貸事業者は、省エネ基準適合よりさらに上の性能に高めて、積極的にその性能を表示して入居希望者にアピールするはずである。そうなると、既存の賃貸住宅は新築物件に対しますます競争力が低下することになる。こうした影響を踏まえて、今後の対策を検討することが望ましい。
     
  • そこでオススメしたいのが、断熱・遮音改修である。その際、国土交通省の、「賃貸住宅の断熱性向上や遮音対策のための大家向けガイドブック」を参考にしてほしい。


■目次

1――省エネ基準適合義務化の影響
  1|省エネ基準とは
  2|省エネ基準に適合させるためには
2――省エネ性能ラベル表示制度の影響
  1|制度の概要
  2|制度の影響
3――断熱・遮音改修のススメ
  1|断熱・遮音改修は大規模修繕に合わせて実施すると効果的
  2|賃貸住宅の断熱性向上や遮音対策のための大家向けガイドブックの活用
  3|入居者に喜ばれ、地球温暖化対策にも貢献する賃貸住宅経営のための断熱・遮音改修

社会研究部   都市政策調査室長・ジェロントロジー推進室兼任

塩澤 誠一郎(しおざわ せいいちろう)

研究領域:不動産

研究・専門分野
都市・地域計画、土地・住宅政策、文化施設開発

経歴

【職歴】
 1994年 (株)住宅・都市問題研究所入社
 2004年 ニッセイ基礎研究所
 2020年より現職
 ・技術士(建設部門、都市及び地方計画)

【加入団体等】
 ・我孫子市都市計画審議会委員
 ・日本建築学会
 ・日本都市計画学会

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