(1)「天神ビックバン」プロジェクト
天神地区
16では、容積率や航空法の高さ制限の緩和等により再開発を誘導する「天神ビックバン」プロジェクトが2015年にスタートした。このプロジェクトでは、初期設備投資で3,500億円の増収効果が発生する
17と試算されている。
天神地区では、「天神ビックバン」を活用した再開発が進展している。「旧大名小学校跡地」で、25階建て(延床面積約9.1万m
2)の複合ビル「福岡大名ガーデンシティ」が2023年3月に竣工した(図表-19 ①)。同プロジェクトでは、オフィスや商業施設のほか、九州初となるラグジュアリーホテル「ザ・リッツ・カールトン ホテル」が2023年6月に開業した。
2024年以降も、再開発計画が複数予定されている。西日本鉄道は、「福岡ビル」跡地の天神一丁目 11 番街区に「ONE FUKUOKA BLDG.」(延床面積約14.7万m
2・地上19階建て)を開発し、2024年12月に竣工予定である (図表-19 ②)。また、ヒューリックは「ヒューリック福岡ビル」を、ホテルを核とした大型複合商業ビル(延床面積約2.1万m
2・地上19階建て)に建て替えを行い、2024年12月に竣工予定である
18(図表-19 ③)。
2025年は、日本生命保険と積水ハウスが「日本生命福岡ビル」と「福岡三栄ビル」を、オフィスを核とした大型複合ビル「天神ブリッククロス」(延床面積約3.7万m
2・地上18階建て)に建て替えを行い、2025年4月に完成予定である
19(図表-19 ④)。また、住友生命保険と福岡地所は、天神2丁目で「住友生命福岡ビル」と「天神西通りビジネスセンター」を、オフィスを核とした大型複合ビル(延床面積約4.2万m
2・地上24階建て)に建て替えを行い、2025年5月に完成予定である
20(図表-19 ⑤)。
その後も、天神ビジネスセンターに隣接する
21「福岡市役所北別館跡地」および「メディアモール天神(MMT)跡地」で、天神一丁目761プロジェクト合同会社
22と福岡地所は、オフィスを核とした大型複合ビル「(仮称)天神ビジネスセンター 2期計画」(延床面積約6.2万m
2・地上18階建て)を開発し、2026年6月を竣工予定である
23(図表-19 ⑥)。また、三菱地所は複合商業施設「イムズ跡地」で、オフィスとホテルを核にした複合ビル「(仮称)天神 1-7 計画」(延床面積約7.4万m
2・地上21階建て)を開発し、2026年12月に竣工予定である。同プロジェクトでは、総面積約8,000坪、基準階面積約790坪、想定就業者数約3,000人のオフィスを整備するとしている
24(図表-18 ⑦)。