イマーシブ(没入感)の時代-「非傍観型トキ消費」という消費活動

2024年01月25日

(廣瀨 涼) 消費者行動

■要旨

昨今イマーシブ(immersive)という言葉をよく耳にするようになった。イマーシブは「没入」「没入感」という意味があり、リアリティあふれる映像や音響に入り込み、その世界に浸ることができるようなコンテンツに注目が集まっている。特にテーマパーク業界では2024年3月1日に東京・お台場に完全没入型テーマパーク「イマーシブ・フォート東京」のオープンが決まっている。「イマーシブ・フォート東京」は、12種類のアトラクション体験と、6つの物販・飲食店を備え、体験時間1時間超の大規模イマーシブシアターや、本格ホラー・イマーシブ体験、レストランで突然起きる豪華絢爛なショーに巻き込まれるイマーシブ体験など完全没入体験をコンセプトに、非日常的で劇的な時間が提供されるようだ。本レポートでは「トキ消費」「コト消費」の側面から没入型体験コンテンツを考察し、その消費の性質やどのような背景からその需要が高まっていくか論じた。また、昨年のM-1グランプリ王者「令和ロマン」の「どうでもいい正解を愛するよりも面白そうなフェイクを愛せよ」という言葉を引用しながら、没入型コンテンツを楽しむ上での心構えを記した。

■目次

本レポートのポイント
1――はじめに
2――体験型・参加型エンタメ(コンテンツ)
3――なぜ今没入型なのか
4――完全没入型コンテンツの要件
5――情報がないという事が贅沢な時代
6――イマーシブコンテンツを「本当に」楽しむために必要な事

生活研究部   研究員

廣瀨 涼(ひろせ りょう)

研究領域:暮らし

研究・専門分野
消費文化、マーケティング、ブランド論、サブカルチャー、テーマパーク、ノスタルジア

経歴

【経歴】
2019年 大学院博士課程を経て、
     ニッセイ基礎研究所入社

・令和6年度 東京都生活文化スポーツ局都民安全推進部若年支援課広報関連審査委員

【加入団体等】
・経済社会学会
・コンテンツ文化史学会
・余暇ツーリズム学会
・コンテンツ教育学会
・総合観光学会

レポートについてお問い合わせ
(取材・講演依頼)