2024年度の年金額の見通しは2.6%増だが、2年連続の目減り (後編)-年金額改定の見通しと注目点

2023年11月17日

(中嶋 邦夫) 公的年金

■要旨

2024年度の年金額は、2024年1月19日に公表される見込みである。公表時にスムースに理解するための準備として、本稿(後編)では、年金額改定の見通しと注目点を確認する。

■目次

はじめに
1 ―― 2024年度の見通し:前年度比+2.6%の見通しだが、実質的には目減り
  1|改定に関係する指標の動向:物価と賃金は上昇。加入者は適用拡大の影響で増加
  2|改定率の計算過程:2022年の物価上昇が織り込まれるが、年金財政健全化のため実質的
   には目減り
2 ―― 2024年度改定の注目点:(1)増額改定、(2)実質目減り、(3)本来改定率が物価上昇率を
 下回る
3 ―― 総括:2年連続の目減りを機に、現役世代と高齢世代の相互理解を期待

保険研究部   上席研究員・年金総合リサーチセンター 公的年金調査室長 兼任

中嶋 邦夫(なかしま くにお)

研究領域:年金

研究・専門分野
公的年金財政、年金制度全般、家計貯蓄行動

経歴

【職歴】
 1995年 日本生命保険相互会社入社
 2001年 日本経済研究センター(委託研究生)
 2002年 ニッセイ基礎研究所(現在に至る)
(2007年 東洋大学大学院経済学研究科博士後期課程修了)

【社外委員等】
 ・厚生労働省 年金局 年金調査員 (2010~2011年度)
 ・参議院 厚生労働委員会調査室 客員調査員 (2011~2012年度)
 ・厚生労働省 ねんきん定期便・ねんきんネット・年金通帳等に関する検討会 委員 (2011年度)
 ・生命保険経営学会 編集委員 (2014年~)
 ・国家公務員共済組合連合会 資産運用委員会 委員 (2023年度~)

【加入団体等】
 ・生活経済学会、日本財政学会、ほか
 ・博士(経済学)

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