(1)「天神ビックバン」プロジェクト
天神地区
7では、容積率や航空法の高さ制限の緩和等により再開発を誘導する「天神ビックバン」プロジェクトが2015年にスタートした(図表-18)。このプロジェクトでは、延床面積は44.4万m
2から75.7万m
2へ1.7倍に拡大、雇用数は4万人から9.7万人へ2.4倍に拡大、年間8,500億円の経済波及効果が発生すると試算されている。
天神地区では、「天神ビックバン」を活用した再開発が進展している。2022年12月に「旧大名小学校跡地」で、25階建て(延床面積約9.1万m
2)の複合ビル「福岡⼤名ガーデンシティ」が竣工した(図表-18 ①)。この開発プロジェクトでは、ワンフロアの貸床面積が2,500m
2以上のオフィスが配置され、2023年4月に入居が開始したほか
8、九州初となるラグジュアリーホテル「ザ・リッツ・カールトン ホテル」が2023年6月21日に開業予定である
9。
2024年以降も、再開発計画が複数予定されている。ヒューリックは「ヒューリック福岡ビル」を、ホテルを核とした大型複合商業ビル(延床面積約2.1万m
2・地上19階建て)に建て替えを行い、2024年12月に竣工予定である
10(図表-18 ②)。また、西日本鉄道は、「福岡ビル」跡地の天神一丁目 11 番街区に複合ビル(延床面積約14.7万m
2・地上19階建て)を開発し、2024年に竣工予定である
11(図表-18 ③)。
2025年は、日本生命保険と積水ハウスが「日本生命福岡ビル」と「福岡三栄ビル」を、オフィスを核とした大型複合ビル「(仮称)天神1丁目北14番街区ビル」(延床面積約3.9万m
2・地上18階建て)に建て替えを行い、2025年3月に完成予定である
12(図表-18 ④)。また、住友生命保険と福岡地所は、天神2丁目で「住友生命福岡ビル」と「天神西通りビジネスセンター」を、オフィスを核とした大型複合ビル(延床面積約4.2万m
2・地上24階建て)に建て替えを行い、2025年5月に完成予定である
13(図表-18 ⑤)。
その後も、三菱地所が複合商業施設「イムズ跡地」で、オフィスとホテルを核にした複合ビル「(仮称)天神 1-7 計画」(延床面積約7.4万m
2・地上20階建て)を開発し、2026年3月に竣工予定である
14(図表-18 ⑥)。また、天神一丁目761プロジェクト合同会社
15と福岡地所は、天神ビジネスセンターに隣接する「福岡市役所北別館跡地」および「メディアモール天神(MMT)跡地」で、オフィスを核とした大型複合ビル「(仮称)天神ビジネスセンター2期計画」(延床面積約6.2万m
2・地上18階建て)を開発し、2026年6月を竣工予定である
16(図表-18 ⑦)。