インド経済の見通し~高インフレと断続的な利上げが逆風も、底堅い成長が続く(2022年度+7.2%、2023年度+6.2%)

2022年09月05日

(斉藤 誠) アジア経済

■要旨
 
  • インド経済は2022年4-6月期の成長率が前年同期比+13.5%(1-3月期:同+4.1%)と急伸、7期連続のプラス成長となった。
     
  • 4-6月期はオミクロン株の感染状況の改善や活動制限措置の緩和により消費を中心に景気が回復。また比較対象となる前年の実質GDPがデルタ株の感染拡大と活動制限により落ち込んでいたため、ベース効果が成長率を押し上げた。
     
  • 先行きは、感染状況が総じて抑制された状況が続くなかで社会経済活動の正常化が進むことや政府の公共投資の拡大により景気回復が続くだろう。一方、ベース効果の一巡や足元の高インフレ、金融引き締めの影響が逆風となり、景気回復の勢いは鈍化することになりそうだ。成長率は、22年度が前年度比+7.2%(21年度:同+8.7%)、23年度が同+6.2%と鈍化するが、底堅い成長が続くと予想する。


■目次

・経済概況:感染改善とベース効果の影響で成長率が急伸
・経済見通し:高インフレと断続的な利上げが逆風も、底堅い成長が続く

経済研究部   准主任研究員

斉藤 誠(さいとう まこと)

研究領域:経済

研究・専門分野
東南アジア経済、インド経済

経歴

【職歴】
 2008年 日本生命保険相互会社入社
 2012年 ニッセイ基礎研究所へ
 2014年 アジア新興国の経済調査を担当
 2018年8月より現職

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