2022年の米ドル円のヘッジコストに関する留意点-米国の金融政策と金融規制の動向に注視すべき

2021年12月22日

(福本 勇樹) 金利・債券

■要旨
 
  • 2021年11月末時点で米ドル円のヘッジコストは上昇傾向にあるが、年末特有の資金繰りに伴う一時的なものとみられる。
     
  • 来年以降は、米国の金融政策や金融規制の動向に注視すべきである。
     
  • 米国の金融政策において来年以降利上げが予定通り実施されれば、内外金利差の要因を通じてヘッジコストが上昇することになる。
     
  • 日米で金融政策の方向性が異なると、米ドルと円の流動性に差が生じ、内外金利差以外の要因を通じてヘッジコストが上昇することになる。
     
  • さらに、米国の補完的レバレッジ比率規制の緩和措置の終了やMMF規制の強化といった金融規制の影響で、内外金利差以外の要因を通じてヘッジコストが上昇する可能性がある。
     
  • 一方で、内外金利差以外の要因については、中央銀行間のスワップ取極という選択肢もあることから、ヘッジコストの上昇は一定程度抑制されるだろう。


■目次

1――2021年11月末のヘッジコストの状況
2――今後の留意点
  1|内外金利差の要因
  2|内外金利差以外の要因
  3|中央銀行間のスワップ取極の動向

金融研究部   金融調査室長・年金総合リサーチセンター兼任

福本 勇樹(ふくもと ゆうき)

研究領域:

研究・専門分野
金融・決済・価格評価

経歴

【職歴】
 2005年4月 住友信託銀行株式会社(現 三井住友信託銀行株式会社)入社
 2014年9月 株式会社ニッセイ基礎研究所 入社
 2021年7月より現職

【加入団体等】
 ・日本証券アナリスト協会検定会員
 ・経済産業省「キャッシュレスの普及加速に向けた基盤強化事業」における検討会委員(2022年)
 ・経済産業省 割賦販売小委員会委員(産業構造審議会臨時委員)(2023年)

【著書】
 成城大学経済研究所 研究報告No.88
 『日本のキャッシュレス化の進展状況と金融リテラシーの影響』
  著者:ニッセイ基礎研究所 福本勇樹
  出版社:成城大学経済研究所
  発行年月:2020年02月

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