ユーロ圏失業率(2021年7月)-失業率はさらに低下し、7.6%に

2021年09月02日

(高山 武士) 欧州経済

1.結果の概要:失業率の低下が続く

9月1日、欧州委員会統計局(Eurostat)はユーロ圏の失業率を公表し、結果は以下の通りとなった。
 

【ユーロ圏19か国失業率(2021年6月、季節調整値)】
失業率は7.6%、市場予想1(7.6%)と同じで、前月(7.8%)から改善した(図表1)
失業者は1233.4万人となり、前月(1268.4万人)から35.0万人減少した

 
1 bloomberg集計の中央値。以下の予想値も同様。

2.結果の詳細:5月以降の失業者減少が顕著

ユーロ圏の7月の失業率は7.6%と前月から低下した。前月までの改定値は6月が7.7%から7.8%と小幅に変更され、それ以前の月の修正幅も小さかった。7月の失業者数は前月差で35.0万人減となり、7月までの3か月間で合計98.7万人の減少となった(図表4)。

7月の若年失業率は16.5%と6月(17.2%)から大幅に改善した(図表2)。若年失業率も6月の改定値は17.2%(改定前17.3%)と小幅で、それ以前の月の修正幅も小さかった。

失業率は2019年5月(7.6%)、若年失業率は2019年1月(16.5%)の水準まで低下しており、ほぼコロナ禍前の水準に戻っている(図表1・3)。失業者数でも、今年の5月以降の失業者の減少幅は顕著で、行動制限の緩和に伴って雇用環境も改善している様子が分かる(図表4)。
国別の6月のデータを見ると、19か国中悪化が1か国、改善が17か国、横ばいが1か国だった。また、若年失業率では公表されている16か国中悪化が3か国、改善が12か国、横ばいが1か国となった(図表5・6)。ギリシャの若年失業率では悪化が目立つが、全体として見れば改善していると言える。
最後に詳細な月次データを公表しているイタリアとポルトガルについて確認すると、イタリアでは7月は失業者がわずかに減少したものの雇用者も減少し、非労働力人口が増加している(図表7)。イタリアの失業率は9.3%と2011年10月(8.9%)以来の低い水準(コロナ禍直後に労働参加率が急減し失業率も減少した月を除く)まで改善しているが、労働市場の参加者はコロナ前と比較してまだ少ない。一方で、ポルトガルでは失業者と非労働力人口が減少し、雇用者が増加している(図表8)。その結果、労働参加率はコロナ禍前の水準を上回る状況まで改善している。
 
 

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経済研究部   主任研究員

高山 武士(たかやま たけし)

研究領域:経済

研究・専門分野
欧州経済、世界経済

経歴

【職歴】
 2002年 東京工業大学入学(理学部)
 2006年 日本生命保険相互会社入社(資金証券部)
 2009年 日本経済研究センターへ派遣
 2010年 米国カンファレンスボードへ派遣
 2011年 ニッセイ基礎研究所(アジア・新興国経済担当)
 2014年 同、米国経済担当
 2014年 日本生命保険相互会社(証券管理部)
 2020年 ニッセイ基礎研究所
 2023年より現職

【加入団体等】
 ・日本証券アナリスト協会 検定会員

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