札幌オリンピックを契機に建てられ、更新時期を迎えているオフィスビルの建て替え等を補助する施策整備に加えて、2030年に北海道新幹線の全線開通(札幌駅までの延伸)が予定されていることから、札幌駅周辺では大規模な再開発が複数計画されている。
「北3西3街区」では、「ヒューリック札幌NORTH33ビル」で複合ビル(11階建て・延床面積約1.1万m
2)への建て替えが進んでおり、2022年6月の完成を目指している。また、隣接する「ヒューリック札幌ビル」でも、ホテル等が入る複合ビル(20階建て・延床面積約2.2万m
2)に建て替える計画が進んでおり、2025年6月に完成予定である
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「北1西5街区」では、北海道放送(HBC)本社社屋跡地において、NTT都市開発が、高級ホテルや商業施設などが入る複合高層ビル(27階建て・延床面積約6.8万m
2)の建設を計画しており、2023年の完成を目指している
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JR札幌駅南口の「北4西3街区」では、地権者であるヨドバシホールディングスを中心に、35階建ての大型複合ビル(延床面積約21万m
2)を建設する計画が進んでおり、2020年代中頃までの完成を目標としている
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また、JR札幌駅の東側に隣接する「北5西1・西2地区」では、時間貸し駐車場に利用されている札幌市所有の「西1地区」とJR北海道グループが所有する商業施設「エスタ」の「西2地区」を一体的に再開発する計画が進んでおり、「西1地区」に高さ約255メートル、「西2地区」に約64メートルの複合ビルを建設される予定である。完成すれば、JRタワー(173メートル)を超え道内一の高さとなり、2029年秋の完成を目指している
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7 石川勝利「札幌都心における開発誘導とオフィス需給の展望」vol.19 July,2020、RE-SEED、環境不動産普及促進機構
8 一定の要件を満たす賃貸事務所を整備する事業者に、賃貸事務所部分に対応する家屋・償却資産の固定資産税課税標準額の20%相当(上限10億円)を補助。
9 以下の条件を備えたオフィス
・1フロアのオフィス占有床面積が概ね1,000m2以上。・天井高さ2.7m以上、OAフロア100㎜以上
・各階のオフィス用に非常用電源設備の設置スペースを整備。・オフィスを小分けにできる構造の採用
10 北海道新聞 「HBC敷地に複合ビル計画 27階建て 23年完成目指す」(2020年7月15日)
11 北海道新聞 「札幌駅近のビル、地上20階建てに 東京のヒューリック建て替えへ」(2021年4月7日)
12 北海道新聞 「札幌西武跡ビル 高さ200メートル35階に 計画変更案」(2021年7月1日)
13 北海道新聞 「札幌駅新ビル255メートル 市が構想案確定 高さ道内一に」(2021年3月13日)