中国インシュアテックの水滴、米IPO申請へ

2021年04月21日

(片山 ゆき) 中国・アジア保険事情

■要旨

中国のインシュアテック企業、水滴(ウォータードロップ)は、4月16日、米国でのIPO(新規株式公開)申請に踏み切った。水滴は、ニューヨーク証券取引所への株式上場を目指している。

水滴の米IPOについては、中国の当局が難色を示しているという報道もあった。しかし、そもそも米国でのIPOには中国の当局の許可は必要ではない。

水滴は、アリババと双璧をなす、テンセントが支援をしている企業である。今回の目論見書では、IPO前の主な株主として、テンセントが22.1%を占めている点も公表されている。

これまでアリババと同様の金融事業戦略をとってきたテンセントへの影響がどうなるのか、今後の動きが注目されている。

■目次

1――テンセント22.1%出資の水滴、IPO申請を決行
2――水滴-弱者に寄り添うインシュアテック企業。収入の9割は保険仲介業の手数料収入。
3――保険関連事業とヘルスケア事業の拡大を目指して

保険研究部   主任研究員・ヘルスケアリサーチセンター兼任

片山 ゆき(かたやま ゆき)

研究領域:保険

研究・専門分野
中国の社会保障制度・民間保険

経歴

【職歴】
 2005年 ニッセイ基礎研究所(2022年7月より現職)
 (2023年 東京外国語大学大学院総合国際学研究科博士後期課程修了) 【社外委員等】
 ・日本経済団体連合会21世紀政策研究所研究委員
 (2019年度・2020年度・2023年度)
 ・生命保険経営学会 編集委員・海外ニュース委員
 ・千葉大学客員准教授(2023年度~) 【加入団体等】
 日本保険学会、社会政策学会、他
 博士(学術)

レポートについてお問い合わせ
(取材・講演依頼)