投信販売を牽引した外国株式は3月に7,300億円の資金流入と2月の7,700億円の資金流入と比べるとやや鈍化したが、引き続き大規模であった。2月はラップ口座等の資産配分の見直し等によって外国株式への資金流入が膨らんでいた。実際にSMA専用ファンドを除外すると外国株式には3月に7,500億円の資金流入と2月の6,900億円から600億円増加となる。一般販売されているファンドに限ると、3月は2月以上に外国株式の販売が好調であったといえよう。
外国株式をタイプ別にみると、アクティブ・ファンドに5,800億円、インデックス・ファンドに1,500億円の資金流入があった。2021年に入って世界的に株価が堅調であり、一般的には高値警戒感から投資を見送ることや、利益確定の売却が出やすい状況にある。そのような市場環境の中でも、3カ月連続でアクティブ・ファンドに5000億円以上(1月5,200億円、2月6,000億円)、インデックス・ファンドに1,000億円以上(1月1,600億円、2月1,700億円)の資金流入があったことになる。
このように外国株式に大規模な資金流入が続いている背景には、まずは他に目ぼしい投資先があまりないことがあるだろう。そのため、多くの販社で積極的に外国株式ファンドを、特にアクティブ・ファンドを推奨していると思われる。また、外国株式のインデックス・ファンドでは、2021年に入ってから積立投資に伴う資金流入がさらに増えていることもあげられる。
月初の買付が反映される第3営業日の外国株式インデックス・ファンドの推計資金流入金額をみても、そのことが分かる【図表3】。外国株式インデックス・ファンドの第3営業日の流入金額は2020年からほぼ右肩上がりで増加し、2020年11月以降は200億円を超えている。2021年に入っても増加基調は変わらず、2021年3月、4月に大幅に増加し300億円を上回る資金流入があった。これらの資金流入すべてが積立投資によるものとは限らないが、趨勢からは月初に設定された毎月積立による外国株式インデックス・ファンドの買付が増加していることが推察される。特に、この3月と4月は新年度に向けてなのか、一段と増えたのかもしれない。