サードパーティーリスクへの対応-保険会社は、外部委託に係るリスクを、どのように管理すべきか?

2020年12月08日

(篠原 拓也) 保険計理

■要旨

保険会社のERMにおいて、業務の外部委託取引などから生じる、さまざまなリスクも管理の対象となる。このリスクは、「サードパーティーリスク」と呼ばれており、業務をアウトソーシングする金融・保険業界では、重視されている。

2008年に、アメリカ連邦預金保険公社(FDIC)は、金融機関向けに、サードパーティーリスクの手引きをまとめている。

本稿では、その内容を参考にしつつ、サードパーティーリスクについて、みていくこととしたい。

■目次

1――はじめに
2――サードパーティーリスクとは
  1|新興企業と初めて取引をする場合、サードパーティーリスクへの注意が必要
  2|サードパーティーの関与により、新たに発生したり高まったりするリスクもある
3――サードパーティーリスクの例
  1|戦略リスク : 目標達成に役立たない商品・サービスの提供にサードパーティーを活用
  2|風評リスク : 顧客の苦情を招くような委託先との関係がリスクを引き起こす
  3|オペレーショナルリスク : 業務プロセスの統合により業務の複雑さが増してリスクが
   増大することも
  4|取引リスク : 技術面の障害などから期待どおりにサードパーティーが機能しない
  5|信用リスク : サードパーティー自身の財務状況に関連する
  6|法令等遵守リスク : サードパーティーによる欺瞞的商品や顧客情報保護基準違反
4――サードパーティーリスクの管理プロセス
  1|リスク評価 : サードパーティーによる欺瞞的商品マーケティングや顧客情報保護違反
  2|サードパーティー選定におけるデュー・デリジェンス : 事業者選定時の評価
  3|契約の構成と確認 : 必要事項の契約書への記載
  4|監視 : サードパーティーの活動の監視
5――おわりに (私見)
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