二極化が進む現金流通高~一万円札は急増、五円玉は減少止まらず

2020年08月13日

(上野 剛志) 金融市場・外国為替(通貨・相場)

■要旨

我が国ではキャッシュレス化の遅れが指摘されるが、キャッシュレス支払額が個人消費に占める割合は年を追うごとに上昇している。

一方で、我が国の現金流通高は一貫して明確な増加基調を示している。本来、キャッシュレス化の進展は家計や企業による現金使用機会の減少を通じて現金流通高の減少に繋がるはずだが、現状はそうなっていない。一見すると不可解な動きだ。

キャッシュレス進展下での現金流通高増加について、その要因を探る。

■目次

1――キャッシュレス化進展でも現金流通高は増加基調
  1|紙幣発行高のトレンド
  2|硬貨流通高のトレンド
2――現金流通高の最近の動向
  1|紙幣発行高の動向
  2|硬貨流通高の動向

経済研究部   上席エコノミスト

上野 剛志(うえの つよし)

研究領域:金融・為替

研究・専門分野
金融・為替、日本経済

経歴

・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
・ 2007年 日本経済研究センター派遣
・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
・ 2009年 ニッセイ基礎研究所

・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)

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