新型コロナでREIT市場は急落。不動産市場は曲がり角に直面-不動産クォータリー・レビュー2020年第1四半期

2020年05月14日

(岩佐 浩人) 不動産市場・不動産市況

■要旨
  • 新型コロナウイルスの感染拡大が猛威を振るうなか、不動産市場において指標の悪化は一部のセクターにとどまる。しかし、今後は厳しい経済ショックの打撃は避けられず、不動産市場は曲がり角に直面している。
     
  • 2020年1-3月期の実質GDP(5/18公表予定)は2四半期連続のマイナス成長になった推計される。住宅市場は減速傾向が強まっている。2020年1-3月期の新設住宅着工戸数は▲9.9%減少、首都圏のマンション新規発売戸数は▲35.4%減少、中古マンションの成約件数は▲1.9%減少した。地価は引き続き上昇している。
     
  • 東京オフィス市場は、需給環境が良好で空室率は極めて低い水準にある。東京のマンション賃料は上昇している。2020年1-3月の訪日外国人客数は▲51.1%減少、全体の延べ宿泊者数は▲17.3%に落ち込んだ。物流施設市場は、首都圏・近畿圏ともに空室率が低下した。
     
  • 2020年第1四半期の東証REIT指数は▲25.6%下落し、四半期ベースで過去最大の下落となった。
■目次

1. 経済動向と住宅市場
2. 地価動向
3. 不動産サブセクターの動向
  (1) オフィス
  (2) 賃貸マンション
  (3) 商業施設・ホテル・物流施設
4. J -REIT(不動産投信)市場

金融研究部   不動産調査室長

岩佐 浩人(いわさ ひろと)

研究領域:不動産

研究・専門分野
不動産市場・投資分析

経歴

【職歴】
 1993年 日本生命保険相互会社入社
 2005年 ニッセイ基礎研究所
 2019年4月より現職

【加入団体等】
 ・一般社団法人不動産証券化協会認定マスター
 ・日本証券アナリスト協会検定会員

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