2|Insurance Europe(保険ヨーロッパ)とAMICE(欧州相互保険会社・協同組合協会)
Insurance EuropeとAMICEも、9月30日に、保険会社が規制の枠組みによって不均衡に負担にならないように、ソルベンシーII比例原則を改善するためにECに共同要請
7を行った。
その中で、まずは、ソルベンシーIIの枠組みの適用における比例性が強化されるかどうかを評価するため、欧州委員会がEIOPAに対して、ソルベンシーII2020レビューに関する助言を求める要請を行ったことを歓迎する旨を述べた。そして、ソルベンシーII比例原則は、過度の負担を回避するためのキーだが、実際には機能していない、と述べた。
ソルベンシーIIと、特にそのリスクベースのアプローチは、EUの保険業界によってサポートされているが、現在、会社に課せられている膨大な量のルールが不均衡であり、会社の活動やリスクに比べて不必要に負担が大きいため、比例原則に関するルールの変更が必要だと述べた。
比例原則は、各国監督当局(NSAs)が保険会社に課される規制要件を、保険会社の活動の規模、性質及び複雑さに関して比例的に適用できるようにするために含まれたソルベンシーIIの重要な要素である。全ての保険会社が不必要なコストを回避し、小規模な保険会社が活動に関連する規制要件のために廃業することを回避するのに役立つ、としている。
EUの保険会社は、ソルベンシーIIでは比例原則が実際に適用されることは殆どないと警告しており、欧州委員会に共同で変更を要請している。業界が提案する改善は、比例原則が全ての加盟国及びソルベンシーIIの3つの柱全てに効果的かつ一貫して適用されることを保証するのに役立つ、としている。
Insurance EuropeとAMICEは、比例性が実際に本来意図されたとおりに機能することを確保するのに役立つ変更のための具体的な提案を行っている。その内容は、以下の通りである。
1.指令において、次のことを明確にするために追加の文章が必要である。
・NSAsは法的に可能であるだけでなく、会社が比例性を適用するために、指令、委任法、及び/又は実施文書に規定された特定の要件から逸脱したり、又は一部の要件を適用しないことを許可する義務を負っている。例えば、指令の第29条「監督の一般原則」を改正する。
・比例は、小会社だけでなく、グループや大会社にも適用できる。性質、規模及び複雑性への言及は、会社/グループの全体的な規模ではなく、関連するリスク、活動又は商品に明確に言及すべきである。現在、一部の子会社は、グループに属しているため、比例的な措置の適用から除外されている。会社がグループに属しているかどうかにかかわらず、同等の待遇が適用されるべきである。そのためには、単体レベルでの比例性はグループレベルで直接反映されなければならない。
2.委任法において、事前定義された特定の比例措置の網羅的でないリストである比例「ツールボックス」を作成する。この簡素化と免除のリストは、リスクに比べていくつかの要件が過度に負担となる全ての会社が、比例性救済を利用できるようにするために必要である。
3.以下の措置を講じることにより、比例措置(定義済みのツールの1つであるか、又は他の簡素化/免除であるか)を適用しようとする会社の負担を軽減し、比例原則の適用の一貫性を向上させる。
・既存の要件(ソルベンシーII指令第56条、第88条)を調整し、ツールボックスの措置を自動的に適用するための明確なリスクベースの特定基準を導入する。これにより、これらの基準を満たす会社は、さらなる文書化やNSAの明確な承認なしにツールを自動的に適用できるようになる。
・EIOPAに対し、リスクの性質、規模及び複雑性に関するNSAsの評価を支援し、原則の適用プロセスの透明性を高めることを目的とした、リスクベースの明確な基準を策定するよう求める。
・監督当局との対話の中で、ツールボックスの個々の措置が、その正当性を適切に文書化することを条件に、自動適用の所定の基準を満たしていない場合であっても、全ての保険者がその措置を適用することができることを規定する。
4.EIOPAは、その有効性と一貫性をどのように改善するかについての提案を含む比例性に関する年次報告書を公表すべきである。報告書は、加盟国ごとに比例原則の適用を評価し、その有効性と一貫性をどのように改善するかについて提案を行う(報告の制限と免除に関するEIOPAによる報告書と同様)。この報告書及びその後のフォローアップは、ESA(欧州監督機関)のレビューによって設置が義務付けられている新しい比例性委員会によって監督されるべきである。
これらの変更により、全ての保険者が、適用可能な比例的措置への現実的かつ効率的なアクセスを有することを確保し、あらゆる規模の会社が、申請に過大なコストや負担をかけないようにすることができる、と述べている。
5―まとめ