保険研究部 上席研究員・ヘルスケアリサーチセンター・ジェロントロジー推進室兼任
三原 岳(みはら たかし)
研究領域:
研究・専門分野
医療・介護・福祉、政策過程論
2――ケアプランとケアマネジメントとは何か
サービスの計画(筆者注:ケアプランを指す)には、介護保険の給付だけではなくて、市町村独自のサービスでございますとかボランティアのサービスなどを含みますいろいろな種類や内容を含んだサービスの目標でございますとか、その目標が達成される時期なども盛り込むことになっているわけでございます。
自立支援の最も重要な機能としては、今回の制度の中のケアマネジメントであり、これを人で担う場合、ケアマネジャーということになっている。これが介護保険の最も本質的な部分となっているのです。(略)利用者、広く言えば自治体の住民の立場に立ち尽くすこと。それが大事なのです。決して、ケアマネジャーが雇われている事業者の立場に立って物事を考えない。住民の立場、利用者の立場に立ち尽くす。(略)プロとして助言の力があること。そのことを自分で鍛え、言葉で伝え、表情で伝え、そして利用者と利用者のケアの受給について、最も適切なケアが受けられることを助言できること。この微妙なところで成り立つ新しい職業として、ケアマネジャーというのを創設したのです。
根本匠衆院議員(現厚生労働相):(筆者注:介護保険制度では)利用者とサービス提供者は対等の契約者になります。対等な契約者ということになりますと、このケアプランを作成する際に利用者の意見、意向を適切に反映することが必要になってくる。(略)制度的に仕組む際には、身近である、専門性がある、あるいは客観的に判断できる、こういうことを備えた代弁者あるいは代弁機能、これが重要だと思います。
江利川毅厚生省官房審議官:いろいろな分野の介護サービスがありますし、その中には、専門的な知識の判断が必要になったり、あるいは幅広い情報が必要になったりするものがございます。そういうものを本人とか家族だけで全部把握するというのはなかなか不可能で、利用者の代弁的な機能、代理的な機能、こういうものが必要だと思います。(略)介護支援専門員がこの制度の中で先生の御指摘になるような代弁的機能、そういうものを果たすことになろうかと思っております。
保険研究部 上席研究員・ヘルスケアリサーチセンター・ジェロントロジー推進室兼任
研究領域:
研究・専門分野
医療・介護・福祉、政策過程論
プロフィール
【職歴】
1995年4月~ 時事通信社
2011年4月~ 東京財団研究員
2017年10月~ ニッセイ基礎研究所
2023年7月から現職
【加入団体等】
・社会政策学会
・日本財政学会
・日本地方財政学会
・自治体学会
・日本ケアマネジメント学会
【講演等】
・経団連、経済同友会、日本商工会議所、財政制度等審議会、日本医師会、連合など多数
・藤田医科大学を中心とする厚生労働省の市町村人材育成プログラムの講師(2020年度~)
【主な著書・寄稿など】
・『必携自治体職員ハンドブック』公職研(2021年5月、共著)
・『地域医療は再生するか』医薬経済社(2020年11月)
・『医薬経済』に『現場が望む社会保障制度』を連載中(毎月)
・「障害者政策の変容と差別解消法の意義」「合理的配慮の考え方と決定過程」日本聴覚障害学生高等教育支援ネットワーク編『トピック別 聴覚障害学生支援ガイド』(2017年3月、共著)
・「介護報酬複雑化の過程と問題点」『社会政策』(通巻第20号、2015年7月)ほか多数