3-2.オフィスビルの新規供給見通し
(1)仙台中心部で進む再開発
仙台市は、老朽化したビル等の建て替えによる高機能オフィスの整備と、企業誘致の促進を目指す「せんだい都心再構築プロジェクト
18」を2019年7月から開始しており、同プロジェクトを活用した大型オフィスの竣工や開発が進んでいる。
東京建物は仙台駅前の南町通に「T-PLUS仙台」(延床面積1.4 万m
2・地上12階建て)を開発し、2024年1月に竣工した
19(図表-19 ①)。また、鹿島建設は中央三丁目で「NANT仙台南町」(延床面積1.2万m
2・地上11階建て)を開発し、2025年6月に竣工した
20(図表-19 ②)。
今後も、同プロジェクトを活用した大規模オフィス開発が予定されている。サンケイビルは、青葉区一番町2丁目で、地上12階建てのオフィスビル(延床面積約1.1万m
2)を開発中で、2027年3月の竣工を予定している
21(図表-19 ③)。
また、第一生命保険は、青葉区国分町3丁目の「仙台第一生命ビル」を建替えて、地上13階建てのオフィスビル(延床面積約1.6万m
2)を開発中で、2028年の竣工を予定している
22(図表-19 ④)。青葉区中央 2 丁目では、読売新聞と東急不動産が、「読売仙台ビル」と隣接する「新伝馬町中央通りビル」を建替えて、オフィスやホテルを含む複合ビル(延床面積約4.2万m
2)を開発中で、2029年度に竣工予定である
23。
東日本興業(東北電力系の不動産管理会社)、戸田建設、明治安田生命保険、三菱地所等は、「電力ビル」中心とした一体開発を計画しており
24、2023年5月に「せんだい都心再構築プロジェクト」の「グリーンビルディング」第1号案件に認定された。同計画は、開発面積が約1.8haと過去最大規模で、オフィスや音楽ホールが入居する高層複合ビル2棟(南棟:地上24階・北棟:地上35階)等を開発し、2035年頃の完成を目指している
25(図表-19 ⑤)。