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中国:25年4~6月期の成長率予測-前期から減速。外需が減速し始めた一方、政策効果で安定は維持

2025年06月26日

(三浦 祐介) 中国経済

(不動産市場)
不動産市場について、5月の住宅販売面積の前年同月比伸び率は、前月に続きマイナス幅が拡大した(図表13)。住宅販売価格(70都市平均)の前年同月比の伸びは、22年4月以降、38カ月連続でマイナスとなっているが、24年10月を底にマイナス幅の縮小が続いている。

供給側の動向に関して、住宅着工面積(3カ月後方移動平均)の伸びは、前月に続きマイナス幅が縮小した(図表14)。住宅竣工面積(同上)の伸びは、マイナス幅が拡大した。住宅完成在庫面積は依然増加しているが、伸び率は前月に続き僅かに縮小した。また、不動産開発資金(同上)の伸びは、依然として前年同月比でマイナスとなっている。24年春先以降、改善傾向にあったが、25年4月から5月にかけてはマイナス幅が拡大している。
(財政)
財政の動向をみると、歳出(3カ月後方移動平均)については、一般公共予算、政府性基金とも、前月に続き伸びが高まった(図表15)。とくに、政府性基金では伸びが引き続き大幅に高まっている。歳入(同上)については、一般公共予算、政府性基金とも、前月に続き改善した。一般公共予算のうち、税収は伸びがマイナスからプラスに転じたのに対して、非税収入の伸びは低下した(図表16)。

3.物価・金融の動向

3.物価・金融の動向

(物価)
物価の動向について、5月の消費者物価指数(CPI)は、前月に続き横ばいで推移した(図表17)。生鮮野菜等の食品価格の伸びはマイナス幅が小幅に拡大したのに対して、食品・エネルギーを除くコアCPIは、前月から高まった。工業生産者出荷価格(PPI)の伸びは、22年10月以降、32カ月連続でマイナスとなっており(図表18)、5月は伸びのマイナス幅が前月に続き拡大した。
(金融)
金融の動向について、5月のM2の伸びは、前月から小幅に低下した。社会融資総量の伸びは、前月から横ばいで推移した(図表19)。政府債券、それ以外ともに概ね同水準で推移した。金融政策に関して、政策金利(リバースレポ・オペ、7日物)は、25年5月に10bpsの利下げが実施されたが、その後は据え置きとなっている(図表20)。それを受け、貸出金利のベンチマークとなるLPRも、1年物、5年物とも、5月に10bps低下した後、6月は横ばいで推移している。

経済研究部   主任研究員

三浦 祐介(みうら ゆうすけ)

研究領域:経済

研究・専門分野
中国経済

経歴

【職歴】
 ・2006年:みずほ総合研究所(現みずほリサーチ&テクノロジーズ)入社
 ・2009年:同 アジア調査部中国室
 (2010~2011年:北京語言大学留学、2016~2018年:みずほ銀行(中国)有限公司出向)
 ・2020年:同 人事部
 ・2023年:ニッセイ基礎研究所入社
【加入団体等】
 ・日本証券アナリスト協会 検定会員

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