2025年1-3月期の実質GDPは、前期比▲0.2%(前期比年率▲0.9%)と4四半期ぶりのマイナス成長になったと推計される
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財貨・サービスの輸出が前期比▲0.6%の減少となる一方、財貨・サービスの輸入が前期の落ち込みの反動もあり、同2.5%の高い伸びとなったことから、外需寄与度が前期比▲0.6%(前期比年率▲2.5%)と成長率を大きく押し下げた。
高水準の企業収益を背景に設備投資は前期比0.9%の増加となったが、物価高の影響で民間消費が前期比▲0.0%と低迷したことから、国内需要は2四半期ぶりに増加したものの、外需の落ち込みをカバーするには至らなかった。
実質GDP成長率への寄与度(前期比)は、国内需要が0.4%(うち民需0.4%、公需0.0%)、外需が▲0.6%と予測する。
名目GDPは前期比0.6%(前期比年率2.5%)と4四半期連続で増加し、実質の伸びを大きく上回るだろう。GDPデフレーターは前期比0.9%(10-12月期:同0.6%)、前年比3.2%(10-12月期:同2.9%)と予測する。民間消費を中心に国内需要デフレーターが前期比1.2%(10-12月期:同0.4%)と前期から伸びを大きく高めたことがGDPデフレーターを押し上げた。
なお、5/16に内閣府から2025年1-3月期のGDP速報が発表される際には、基礎統計の改定や季節調整のかけ直しなどから、成長率が過去に遡って改定される。当研究所では、実質GDP成長率は2024年7-9月期が前期比年率1.4%から同1.1%へ下方修正される一方、2024年10-12月期が前期比年率2.2%から同2.4%へ上方修正されると予想している。
この結果、2024年度の実質GDPは前年比0.8%(2023年度は0.7%)、名目GDPは前年比3.7%(2023年度は4.9%)といずれも4年連続のプラス成長となると予想する。GDPデフレーターは前年比2.9%(2023年度は4.2%)と3年連続のプラスとなるだろう。
2025年1-3月期は4四半期ぶりのマイナス成長になったとみられるが、前期の反動で外需が大幅マイナスとなったことがその主因で、均してみれば景気は緩やかな回復基調を維持している。ただし、4-6月期は米国の関税引き上げに伴い輸出、国内生産が大きく下押しされることは不可避と考えられる。国内需要の回復が緩やかにとどまる中で輸出が減少することから、現時点では4-6月期は2四半期連続のマイナス成長になると予想している。
1 4/30までに公表された経済指標をもとに予測している。今後公表される経済指標の結果によって予測値を修正する可能性がある。
●主な需要項目の動向