図表でみる世界の民主主義-日本の民主主義指数は上昇も、世界平均は低下。世界ではいったい何が起きているのか?

2025年04月15日

(三尾 幸吉郎)

■要旨
 
  • 古代ギリシャの「直接民主制」を起源とする民主主義は、これまで何度も危機に直面したものの、それらを乗り越え、国民主権、自由選挙、多数決原理・少数意見尊重、三権分立、言論・信教の自由、法の下の平等などで特徴づけられる、民主主義が形成されてきた。しかし、民主主義指数(世界平均)は10年ほど前からじわじわと低下、世界の民主主義はまたしても危機に直面したようだ。
     
  • 世界各国・地域の民主主義指数を見ると、主要先進国(G7)では依然として高水準を維持しているものの20年ほど前に比べると後退した国が過半である。また主要途上国(BRICS)を見ると、インド、南アフリカ、ブラジルが世界平均を上回っている一方、中国とロシアは下回っており、二極化した状況にある。但し、20年ほど前に比べるといずれも後退している。なお、日本や台湾のように民主主義の深化が途切れていない国・地域も少なくない。
     
  • 周知のとおり民主主義には多くの利点があるものの欠点も少なくない。そして現在、欠点の方に焦点が当たるようになり、利点を生かしつつどう折り合いをつけるべきか、新たな均衡点を探り始めたようだ。かつて英国のチャーチル元首相が指摘したように、民主主義には多くの欠点があるものの、他のいかなる政治形態よりもマシである。民主主義は今、危機に直面しているが、より良い政治形態を生み出すためには必要な試練なのかもしれない。


■目次

1――日本の民主主義指数は上昇も、世界平均は低下
2――世界各国・地域の民主主義指数
3――おわりに
レポートについてお問い合わせ
(取材・講演依頼)

関連カテゴリ・レポート