首都圏中古マンション市場動向(2024年11月)~「成約件数横ばい・成約価格横ばい」の局面に移行。東京では新規登録価格と成約価格の逆転も

2024年12月19日

(渡邊 布味子) 不動産市場・不動産市況

■要旨

東日本不動産流通機構(東日本レインズ)によると2ケ月ぶりに上昇した。成約価格は上昇と下落を繰り返す一進一退の動きとなっている。
 
一方、新規登録価格は大きく上昇した。コロナ禍以降、成約価格は新規登録価格を一貫して上回って推移し、両者のかい離率は縮小している。また、新規登録価格の上昇にあわせて在庫価格も急上昇している。
 
成約件数と新規登録件数から求めた新規成約率の推移をみると、東京都では回復基調にあった高価格帯マンションの売れ行きがやや鈍化している。
 
首都圏中古マンション市場は、足もとで横ばい局面へ移行し、いったん踊り場を迎えた可能性がある。また、東京都では新規登録価格と成約価格の逆転や高価格帯マンションの売れ行きがやや鈍化するなど、これまでと異なる動きも確認される。来年以降、住宅ローン金利の上昇が予想されるなか、中古マンション市場の需給バランスや価格動向を注視する必要がありそうだ。

■目次

首都圏中古マンション市場は「成約件数横ばい/成約価格横ばい」の局面へ
新規登録価格が急上昇。東京では高価格帯マンションの売れ行きが鈍化
在庫価格が上昇する一方、在庫戸数は前年比で減少

金融研究部   准主任研究員

渡邊 布味子(わたなべ ふみこ)

研究領域:不動産

研究・専門分野
不動産市場、不動産投資

経歴

【職歴】
 2000年 東海銀行(現三菱UFJ銀行)入行
 2006年 総合不動産会社に入社
 2018年5月より現職
・不動産鑑定士
・宅地建物取引士
・不動産証券化協会認定マスター
・日本証券アナリスト協会検定会員

・2022年、2023年 兵庫県都市計画審議会専門委員

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