保険業界における、サステナビリティリスクの取扱いの検討(欧州)-EIOPAの報告書の紹介

2024年11月29日

(安井 義浩) 保険計理

■要旨

EIOPA(欧州保険・企業年金監督機構)は、2024年11月7日、ソルベンシーIIにおけるサステナビリティリスクの取り扱いについて最終報告書を公表した。これは、欧州委員会から求められた「環境や社会目標に関連して、これらに害を及ぼすような資産や活動を、慎重に評価するために可能な方策」の策定に対応したものである。特に、欧州の保険会社の保有する化石燃料関連資産に対する資本要件を追加することで、高い移行リスク(とその資本対応の状況)を正確に反映することを提案している。

■目次

1――はじめに
2――報告書の内容
  1|気候変動の影響を受ける資産の移行リスク
  2|気候リスク対応の予防策が、損害保険引受リスクに与える影響
  3|社会的リスク
3――今後の動きについて

保険研究部   主任研究員 年金総合リサーチセンター・気候変動リサーチセンター兼任

安井 義浩(やすい よしひろ)

研究領域:保険

研究・専門分野
保険会計・計理、共済計理人・コンサルティング業務

経歴

【職歴】
 1987年 日本生命保険相互会社入社
 ・主計部、財務企画部、調査部、ニッセイ同和損害保険(現 あいおいニッセイ同和損害保険)(2007年‐2010年)を経て
 2012年 ニッセイ基礎研究所

【加入団体等】
 ・日本アクチュアリー会 正会員
 ・日本証券アナリスト協会 検定会員

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