これからの資産形成、加速のカギは「金融リテラシー・ギャップ」か-「貯蓄から投資へ」の20年間…日本人に足りなかったのは「自信」

2024年11月12日

(西久保 瑛浩) 消費者行動

■要旨

2001年に「貯蓄から投資へ」のスローガンが掲げられて以来、20年以上の年月が経つ。

この間の継続的な政策展開が功を奏してか、家計の金融資産に占めるリスク資産の割合は近年順調に増加しているが、欧米諸国と比べればその水準は依然として低い。

さて、これまで資産形成の推進における最も大きな課題の1つとして位置づけられてきたのが「金融リテラシー」の向上である。

しかし、「金融リテラシー調査」によれば、日本人の金融リテラシーは投資大国である米国と比較して大きく劣ってはおらず、むしろ「金融知識に自信がある人の割合」に大きな差があることが確認されている。

そこで本レポートでは、日本における金融リテラシーの現状と今後の展開について、特に「金融リテラシー・ギャップ」(=金融リテラシーに対する「客観的評価」と「自己評価」の差)に焦点を当てて論じていきたい。

■目次

1――はじめに~リスク資産の普及は好調。粘り強い政策展開の成果か。
2――米国との比較から見えてくる課題~ポイントは金融リテラシーではなく「自信」
3――金融リテラシー・ギャップとは~「自信」が金融行動に与える影響
4――金融リテラシー・ギャップの解消に向けて~「教育」と「経験」に注力
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