なぜ「今」BeRealを撮影する必要があるのだろうか-BeRealに関する私論的考察

2024年10月31日

(廣瀬 涼) 消費者行動

■要旨

1日1回ランダムな時間に「BeRealの時間です」という通知がされ、その通知が来てから2分以内に自身の自撮りを撮影し投稿しなくてはならないというゲーム性や、撮影するために準備ができないため「盛る」事が出来ないという点が、若者から支持を受け「BeReal」はZ総研の「2024年上半期トレンドランキング」の「流行ったコト・モノ」で1位となった。一方で、通知が来てから撮影までに時間制限があるため、授業中や仕事の最中、脱衣所や更衣室など時間や場所をわきまえないで撮影する者も現れ、社会問題となっている。本稿では、まずBeRealの概要と実態に触れ、ネット社会における交友関係の特徴、自己を開示する事で生まれる効果、なぜBeRealなのか、なぜそのような強迫観念もつのか、という流れで若者が熱心にBeRealを使用する背景を考察した。

■目次

本コラムのポイント
1――はじめに
2――BeRealとは
3――「BeReal"が"撮影しろっていうから」という大義名分
4――インスタの必然性、BeRealの偶然性
5――半数が授業中やアルバイト中にBeRealの撮影経験あり
6――仕事中ですがBeReal撮ってもいいですか?
7――BeRealにおける相互監視機能
8――他人にとっての「交換可能な他者」
9――自己開示効果によって生み出される人工的な親密性
10――さいごに

生活研究部   研究員

廣瀬 涼(ひろせ りょう)

研究領域:暮らし

研究・専門分野
消費文化論、若者マーケティング、サブカルチャー

経歴

【経歴】
2019年 大学院博士課程を経て、
     ニッセイ基礎研究所入社

・公益社団法人日本マーケティング協会 第17回マーケティング大賞 選考委員
・令和6年度 東京都生活文化スポーツ局都民安全推進部若年支援課広報関連審査委員

【加入団体等】
・経済社会学会
・コンテンツ文化史学会
・余暇ツーリズム学会
・コンテンツ教育学会
・総合観光学会

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