ジョブ型人事指針を読む(下)-先行20社の事例より:権限移譲と導入プロセス

2024年09月30日

(小原 一隆) 成長戦略・地方創生

■要旨

前稿では、「ジョブ型人事指針」に基づき、同指針の「3.(4)等級の変更」までの各項目について触れ、ジョブ型人事の基本(全体の枠組みや設計)と目的(導入の狙いと背景)について、事例から共通点、独自性のある取り組みを整理した。

本レポートでは、前稿に続いて、同指針の「4.人事部と各部署の権限分掌の内容」(権限移譲)、「5.導入プロセス」(制度の具体的な導入手順や組織への定着)について概観する。基本から一歩進み、各企業がジョブ型人事を効果的に運用するための手順・工夫について取り上げる。権限委譲の形態や導入プロセスは企業ごとに異なり、ジョブ型人事制度の効果的な運用には柔軟な対応が求められる。組織に制度を定着させる手順や工夫等について触れつつ、企業に加えて公務員への適用、そして懸念点等も含んだ所見を述べる。

■目次

1――はじめに
2――ジョブ型人事指針の内容
  4|人事部と各部署の権限分掌の内容
  5|導入プロセス
3――全体を通したまとめ
4――公務員はどうなのか
5――おわりに

総合政策研究部   主任研究員

小原 一隆(こばら かずたか)

研究領域:

研究・専門分野
経済政策・人的資本

経歴

【職歴】
 1996年 日本生命保険相互会社入社
      主に資産運用部門にて融資関連部署を歴任
     (海外プロジェクトファイナンス、国内企業向け貸付等)
 2022年 株式会社ニッセイ基礎研究所

【加入団体等】
・公益社団法人日本証券アナリスト協会

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