3|気象データの観測地点は気象台等とする
各地域区分に複数の観測地点を設定して、そのデータをもとに気候指数を作成する。そして、各地点の気候指数を平均化したものを、その地域区分の気候指数とする
7。
各地域区分で設定する気象データの観測地点は、原則として気象台等
8とする。気象台等では、過去からの日々の観測要素(気温、降水量、風、湿度、天気など)が取得できるためである
9。無人観測施設であるアメダス
10による観測地点でも、降水量、風、気温などのデータが取得できるが、湿度や一部の項目が取得できないなどの制約があることから、気候指数作成用の気象データとしては用いない。また、すでに観測を停止している地点のデータも用いないこととする。
なお、海面水位指数の作成には潮位データを用いるが、後述の通り、今回の死亡率シナリオの作成では、同指数は用いない。そこで、潮位データの観測地点の選定については注記欄に記す。
11
気象データは、日単位のものとし、各観測地点の「日最高気温 (℃)」、「日最低気温(℃)」、「降水量の日合計 (mm)」、「日平均風速 (m/s)」、「日平均相対湿度 (%)」のデータとする。乾燥指数のために、降水に関しては、降水現象の有無に関する「現象なし情報」も用いる。潮位データは、月単位のものとし、各観測地点の「月平均潮位 (cm)」を用いる。
7 各地点の気候指数は、気象や潮位のデータの参照期間(1971~2000年)平均からの乖離度(平均と標準偏差を用いて算定)として計算される。そのため、各地点の平均をとることができる。
8 気象台の他に、有人の気象観測施設も含まれる。
9 一部の項目のデータが取得できない気象台等もある。その場合、その観測地点のデータは気候指数作成には用いない。
10 国内約1300か所の気象観測所で構成される気象庁の無人観測施設。アメダス(AMeDAS)は、Automated Meteorological Data Acquisition System(地域気象観測システム)の通称。
11 潮位データについては、1997年3月以前の潮位の観測値が「歴史的潮位資料」、1997年4月以降の潮位の観測値が「近年の潮位資料」として、気象庁より公表されている。ただし、歴史的潮位資料は、すべての潮汐観測地点で公表されているわけではなく、長期に渡って観測を続けている地点に限られる。一方で、過去のデータはあるものの、すでに観測を停止しているために、直近のデータがない地点も多く見られる。そこで、各地域区分で設定する潮位データの観測地点は、歴史的潮位資料と近年の潮位資料が公表されていて、かつ現在も観測継続中の地点としている。
4|観測地点は、全部で174地点 (気象データ154地点、潮位データ57地点)
以上の検討の結果、観測地点は下表のとおりとなった。気象データとして154地点、潮位データとして57地点のデータを気象庁のホームページより取得し、これらをもとに気候指数を作成している。
このうち、気象データと潮位データを両方とも観測しているものが37地点
12。気象データのみを観測しているものが117地点。潮位データのみを観測しているものが20地点となっている。全部で、174の観測地点のデータをもとに、気候指数を作成している。