老後に資産運用を止める必要があるのか-毎月定額を引き出しつつも投資継続で経済的により豊かな老後生活ができるかも

2024年07月18日

(熊 紫云)

■要旨
 
  • 人生100年時代で、セカンドライフの期間は意外と長い。退職金や資産形成で積み上げてきた資金を預貯金として、そこから引き出して、そのまま生活費として使うと、一定期間後に資金が尽きてしまうかもしれない。
    長生きした場合の資金枯渇リスクを考えると、老後の生活資金の確保が大切となってくる。老後は働いていた時より時間が自由に使えるので、お金があれば、やりたいことができて余暇や趣味をもっと楽しむこともできるため、老後の生活資金は思っている以上に必要となるかもしれない。
    このレポートでは、経済的により余裕のある老後生活を心配なく送ることを最終目的とすると、預貯金だけでなく、株式インデックス投資を活用した方が良いかもしれないことを紹介したい。
     
  • 具体例として、65歳など退職時点に100万円程度の緊急用の資金以外に、老後生活用の2,400万円の資産があると仮定して、過去のデータを用いて、25年間にわたってS&P500に連動する米国株式インデックスと預貯金に配分し、毎月8万円を引き出すシミュレーションをした。その結果、2,400万円をすべて預貯金にするより、75%以上を株式インデックスに配分し、毎月株式資産と預貯金から4万円ずつを引き出す方が、資金が枯渇するリスクを回避し、かつ、25年後の最終時価残高が相当大きくなる可能性が高いことが分かった。
     
  • ご自分自身の状況に合わせて、老後の資産運用と引き出し方法については判断すべきものではあるが、平均寿命と平均余命が年々伸びていることを踏まえると、老後生活を経済的により豊かにしたい人、子孫に財産を残したいと考えている人、資産をより大きくしたい人等は、65歳になっても、株式インデックス投資を継続する方が得策であるかもしれない。このレポートを機に、老後資金の資産運用について、改めて考えていただくきっかけとなれば幸いである。


■目次

はじめに
1――2,400万円で運用しながら、毎月8万円を引き出すとどうなるのか
2――株式投資1,800万円、預貯金600万円の場合の残高推移
3――株式投資の最悪ケースでも、毎月最大いくら引き出せるか
4――25年間、投資元本を下回ることがどのくらいあるのか
5――目的地に着陸するか、それとも飛行を継続するのか