松岡 博司()
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1――米国における個人年金販売チャネルの概要
販売対象とする商品範囲にリタイアメント商品(年金等)までを含めるか否か等の相違はあるものの、こうした「BUY ONLINE(オンラインで購入)」コーナーは、インドのほとんどの生保会社のホームページに設けられている。
これは世界的に見ても珍しい状況である。生命保険の先進市場である米英日の生保業界においても、こうした形で「オンライン販売」を前面に出したホームページを持つ生保会社は、そんなに多くない。
以下、本レポートでは、インド生保業界におけるオンライン販売(インドでは「電子商取引」等とも呼ばれている)を巡る状況を見ていく。
1――金融のデジタル化が進展しつつあるインド
2――まだまだマイナーながら、今後が期待されるインド生保会社のオンライン販売
3|それでも、今後はオンライン販売チャネルの成長が見込める
上で見たように、これまでのところ、インド生保市場における、オンライン販売のシェアは芳しいものではない。
しかし、世界でも珍しいほどに、金融のデジタル化が一足飛びに進展していく環境の中、生保各社もオンライン販売に積極的に取り組んでいる状況や、経済成長は著しいがまだまだ生保・年金商品の普及率が低い生保新興国としての地位にあるインドの状況、人口構成も若いこと等も考えれば、インドの生保市場においてオンライン販売が長期的には高い伸びを示すであろうと予想することはできるだろう。
インドでは、エージェントチャネルで買うよりも、オンラインチャネルで買う方が、安く購入できることも、オンライン販売のシェアが高まるだろうことを予想させる。
(1)生保各社のオンライン・ダイレクト販売への取組み状況
デジタル化戦略の在り方とその進捗状況は生保会社によって異なるが、ほぼすべての生保会社が、商品の基本情報の提供から見積もり、オンライン購入に至るまでの、訪問者が利用できるさまざまな機能を備えたインターネット上の窓口を確立している。
オンラインで販売できる商品の種類には制限がなく、保障商品から投資関連商品、年金プランまで多岐にわたる商品がオンライン販売されている。 ウェブ・アグリゲーターは、オンラインを通じて、複数社の生命保険、損害保険、医療保険商品を販売することが許可されている。
(2)ウェブ・アグリゲーターの状況
ウェブ・アグリゲーターは、オンラインを通じて、複数社の生命保険、損害保険、医療保険商品を販売することが許可されている。
生命保険各社も、ウェブ・アグリゲーターを通じた販売に積極的に関与している。
この分野のリーダーは、PBフィンテックLtdで、Policy Bazaar Webサイトを開発し、中国のテクノロジーグループであるテンセント等の支援を受けて、2021年11月には、大幅な超過発行でBSE (旧ボンベイ証券取引所)に上場した。
もう1社、タートルミントも僅差で追随している。
3――保険の電子商取引に積極的な保険監督当局
さいごに
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