パスカルの三角形については、以前の研究員の眼「
フィボナッチ数列について(その3)-フィボナッチ数列はどこで使用され、どんな場面に現れてくるのか(自然界以外)-」(2021.3.26)で紹介した。そこで説明したように、このパスカルの三角形において、桂馬跳びの様に斜め方向に数字を拾い、その合計を取っていくと「フィボナッチ数列」が現れる。例えば、上の図の上から6段目の斜め線で示している数値の合計は5+20+21+8+1=55 はフィボナッチ数になっているというような具合である。
一方で、よりシンプルに、パスカルの三角形における数列を左上(または右上)にある列から順にみてみると、以下の通り、これまで紹介してきた図形数等の数列になっている。
単数列 1, 1, 1, 1, 1, 1, 1, 1, 1,…,
自然数の数列 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9,…,
三角数の数列 1, 3, 6, 10, 15, 21, 28, 36, 45,…,
三角錐数(正四面体数)の数列 1, 4, 10, 20, 35, 56, 84, 120, 165,…,
因みに、その次の数列 1, 5, 15, 35, 70, 126, 210, 330, 495, …, については、「
五胞体数」と呼ばれる数列になっている。「
五胞体(ごほうたい)」と呼ばれるのは、4次元単体で、5つの胞で囲まれたものであり、全ての胞が四面体、全ての面が三角形となっているものである。いわば「4次元四面体」に相当し、その意味では「五胞体数」は「4次元正面体数」(「4次元超四面体」とも呼ばれる)に相当するものになっている。同様に、その次の数列 1,6,21,56,126,252,462.792,…, については、「
六胞体数」と呼ばれる数列で、「5次元四面体数」(「5次元超々四面体数」)と呼べるものになっている。
なお、パスカルの三角形の横の数列は、当然に2項展開の各項の係数を示しているが、その各行の合計値は2のべき乗(n行目の場合 2
n-1)となっている。
1 なお、このような数字の三角形については、パスカルよりも遥か以前から知られていたが、その新たな性質を発見して、それを証明したことから、パスカルの名が付与されている。