高齢社会に突入した中国と年金市場【アジア・新興国】中国保険市場の最新動向(51)

2022年02月15日

(片山 ゆき) 中国・アジア保険事情

■要旨

2021年、中国は高齢社会に移行した。豊かになる前に高齢化が進展する「未富先老」問題に加えて、長寿化によって長くなりつつある老後の生活をどう支えるのかが大きな課題となっている。

政府は、アジアでは日本に次いで2番目の規模となる年金積立金の運用の強化や、企業年金、私的年金の加入促進をめざしている。しかし、現況下では、金融機関による年金分野の市場運用規模は5.5兆元(90兆円)ほどにとどまっている。

■目次

1――2021年、中国は高齢社会へ移行。高齢化のスピードは日本よりも速く、わずか20年で到達。
2――老後の生活を支える「3本の柱」。金融機関による年金分野の市場運用規模は5.5兆元
  (90兆円)
3――もとより苦しい年金財政を新型コロナが直撃
4――浮彫りになる公務員年金の財政へのプレッシャーの大きさ。
5――私的年金の普及・拡大を急ぐ政府。資産運用会社の設立に関する規制を緩和へ

保険研究部   主任研究員・ヘルスケアリサーチセンター兼任

片山 ゆき(かたやま ゆき)

研究領域:保険

研究・専門分野
中国の社会保障制度・民間保険

経歴

【職歴】
 2005年 ニッセイ基礎研究所(2022年7月より現職)
 (2023年 東京外国語大学大学院総合国際学研究科博士後期課程修了) 【社外委員等】
 ・日本経済団体連合会21世紀政策研究所研究委員
 (2019年度・2020年度・2023年度)
 ・生命保険経営学会 編集委員・海外ニュース委員
 ・千葉大学客員准教授(2023年度~) 【加入団体等】
 日本保険学会、社会政策学会、他
 博士(学術)

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