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中国経済:生産者・消費者物価の動向(2021年12月)~生産者物価は鈍化も高止まり、消費者物価も鈍化へ
2022年01月12日
(助川 啓太)
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1.生産者物価は鈍化も依然高止まりが続く
2022年1月12日の中国国家統計局の発表によると、12月の生産者物価指数(PPI)は、前年同月比10.3%上昇となり、11月の同12.9%上昇を2.6ポイント下回った。12月の消費財は同1.0%上昇である一方、生産財は同13.4%上昇となり、生産財が生産者物価の上昇を牽引している(図表-1)。
生産財の内訳をみると、採掘工業が前年同月比44.2%上昇、原材料工業が同19.7%上昇、加工工業が同8.2%上昇となり、前月より採掘工業は16.3ポイント、原材料工業は5.3ポイント、加工工業は1.9ポイント下回った。不動産業界の不振を受け、建築用資材価格が値下がりしたことや、原油等のエネルギー価格の下落を背景に、工業製品の価格は下落するも依然として高止まりは続く(図表-2)。
2.消費者物価も鈍化へ
消費者物価の動きも景気動向と密接な関係があるため、生産者物価と併せて確認する必要がある。
2022年1月12日の中国国家統計局の発表によると、12月の中国の消費者物価は前年同月比1.5%上昇となり、政府の物価抑制目標である3.0%を下回った。なお11月の同2.3%上昇からは0.8ポイント下回った。北京五輪を目前に控え、各地で散発するコロナを封じ込めるため、足元では移動制限措置をじている地域もあり、消費の持ち直しは遅れている。消費者物価は一進一退が続きそうだ(図表-3)。
図表-4、5に示した消費者物価の内訳をみると、12月の食品とエネルギーを除くコアは前年同月比1.2%上昇で、11月から横ばいとなった。
さらに品目別にみると、生鮮野菜や豚肉等の食品価格や交通通信価格の下落が12月の消費者物価を押し下げた。それぞれ確認すると、生鮮野菜は前年同月比では10.6%上昇となり、前月の30.6%上昇から20.0ポイント下落した。一方、豚肉は前年同月比で36.7%下落となり、前月の32.7%下落から4.0ポイント下落し、食品価格全体では同1.2%下落となった。また、交通通信価格は、国際的なエネルギー市況の下落を反映し、前年同月比5.0%上昇と前月から2.6ポイント下回った。
消費品(モノ)とサービスの対比では、12月の消費品(モノ)は前年同月比1.5%上昇となり、11月の同2.9%上昇を1.4ポイント下回った。一方、サービスは同1.5%上昇で前月から横ばいだった。
中国は現在、重要局面を迎えている。目前にした北京五輪の成否や国内新型コロナ感染状況が物価および景気動向へ大きく作用するだけに、行く末に注目したい。
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