‘富(とみ)’の分配-中国における三次分配の台頭

2021年09月15日

(片山 ゆき) 中国・アジア保険事情

■要旨

中国で"三次分配"が注目を集めている。政府が、急成長をとげた企業や高所得の個人に対して、その資産や富を自主的に提供し、社会に還元するよう求める点に特徴がある。具体的には企業や個人による寄付や慈善活動を指すが、その前に、政府が果たすべき税や社会保障による「再分配」に着目する必要がある。

■目次

1――"三次分配"の台頭
2――2020年、中国内の寄付額ランキングで、首位はジャック・マーの32.3億元(550億円)
3――企業・個人による三次分配は「点」、政府は「面」で格差を是正する再分配機能を見直すべき

保険研究部   主任研究員・ヘルスケアリサーチセンター兼任

片山 ゆき(かたやま ゆき)

研究領域:保険

研究・専門分野
中国の社会保障制度・民間保険

経歴

【職歴】
 2005年 ニッセイ基礎研究所(2022年7月より現職)
 (2023年 東京外国語大学大学院総合国際学研究科博士後期課程修了) 【社外委員等】
 ・日本経済団体連合会21世紀政策研究所研究委員
 (2019年度・2020年度・2023年度)
 ・生命保険経営学会 編集委員・海外ニュース委員
 ・千葉大学客員准教授(2023年度~) 【加入団体等】
 日本保険学会、社会政策学会、他
 博士(学術)

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