(1) 「天神ビックバン」プロジェクト
天神地区
5では、容積率や航空法の高さ制限の緩和等により再開発を誘導する「天神ビックバン」プロジェクトが2015年にスタートした(図表-18)。このプロジェクトでは、延床面積を約44.4万m
2から75.7万m
2に拡大、雇用数を約4万人から9.7万人に増加させるという数値目標を掲げている。
2021年9月には、「天神ビックバン」プロジェクトの第1号案件となる「天神ビジネスセンター」(延床面積:約6.1万m
2)が竣工予定である。翌2022年は、「旧大名小学校跡地」で、25階建て(延床面積:約9.0万m
2)の複合ビル(ホテル「リッツ・カールトン」・オフィス棟等)が開業予定である
6。
2022年以降も、「天神ビックバン」の優遇施策を活用した再開発が複数予定されている。西日本鉄道は、「福岡ビル」跡地の天神一丁目 11 番街区に複合ビル(延床面積:約14.5万m
2、オフィスの賃貸可能面積:約4.9万m
2)を開発し、2024年に開業予定である
7。ヒューリックは「ヒューリック福岡ビル」を、ホテルを核とした大型複合商業ビルに建て替えを行い、2024年末に完成予定である
8。また、明治通りと天神西通りが交わる交差点に立つ「天神西通りビジネスセンター」(延床面積:約1万m
2)と「住友生命福岡ビル」(延床面積:約1.1万m
2)は、2024年末を目処に、一体で再開発を行う予定である
9。
「天神ビッグバン」プロジェクトは、当初、2024年末までに竣工する物件が対象であったが、新型コロナウィルス感染症対策機能の導入を促す狙いで、期限が2年延長された
10。今後も優遇施策を活用した活発な大規模開発が続く見通しである。