2|OTC化に反対の意見28個、賛成の意見320個が寄せられた
パブコメでは、緊急避妊薬について、OTC化に反対の意見28個、賛成の意見320個が寄せられた。
反対の意見として、つぎのものがあった。
「効能・効果に関して『緊急避妊』とあるが、受精卵を着床し難くすることは、中絶であると考えるのではないか。」
「避妊等に関する知識が、他の先進国と比較して低い。」
「薬局薬剤師における産婦人科領域の薬剤の知識は十分ではない。」
「病院に行きにくい人が薬局であれば来られるのかが疑問。」
「必要なことはOTC化ではなく、緊急避妊薬の一般への知識を高め、必要時に受診するサポート作りではないか。」
「不確実な避妊方法を繰り返す人が増える可能性がある。」
一方、賛成の意見としては、つぎのものがあった。
「東京オリンピックを機に、多くの観光客が来日した際に、緊急避妊薬を受診でしか購入できないという事実を知ることになれば、我が国における医療の在り方について、諸外国から疑問を呈されるのではないか。」
「避妊薬にいつでもアクセスできることは女性の権利である。」
「本邦における人工中絶の件数は多く
5、これらの負担を少しでも減らすために必要ではないか。」
「産婦人科医の労働環境を改善するためにも市販化を望む。」
「未成年者を含む若い女性にとっては、産婦人科の来院のハードルが高い。」
「2016年の最新データでは、緊急避妊薬の女性の認知度は50%を超えている。」
さらに、OTC化の対応策の意見も多数寄せられた。
「薬剤師の質の向上に加えて、コンサルティング薬剤師を常駐させ、対応できるようにすればよいのではないか。」
「産婦人科において、緊急避妊薬の使い方の指導を受け、認定カードが発行された方のみ購入できるようなシステムにしてはどうか。」
「患者が、リラックスして話せるような環境を整えるべき。」
「乱用防止のために購入したその場で服用させるべきではないか。」
「一般用医薬品となると、ネット販売で購入できてしまうため、薬剤師による対面販売を義務とする要指導医薬品に留めた方がよいのではないか。」
「販売店をホームページなどで検索できるようにし、掲載されている店舗で常時在庫しておく等の取り決めを作ればいいのではないか。」
「医療用医薬品と同様に、適正使用ガイドライン策定などを設けることを検討すべきではないか。」
5 2019年度の人工妊娠中絶件数は、156,430件。(「衛生行政報告例」(厚生労働省)より)