金価格上昇の背景-金の関連指標と需給の動向

2020年10月09日

(原田 哲志) 株式

■要旨

新型コロナウイルスの感染拡大による経済見通しの不透明感や各国中央銀行の金融緩和を背景に金価格が高値圏で推移している。金価格の上昇は、投資家のリスクオフ姿勢や実質金利の低下による金ETFへの投資資金の流入が影響している。

金価格は9月は若干下落したものの、経済見通しの不透明感や金融緩和が継続した場合、高止まりが続くことが考えられる。しかしながら、ワクチン開発の進展などにより、経済見通しの不透明感が払拭された場合、金融緩和の出口が意識され、金価格の下落につながる可能性があるだろう。金価格の今後の動向に注目したい。

■目次

1――はじめに
2――不透明な経済見通し
3――金融緩和の金価格上昇に寄与への影響
4――金需給の動向
  (1) 金需要の動向
  (2) 金供給の動向
5――金価格を左右する要因の動向

金融研究部   准主任研究員・ESG推進室兼任

原田 哲志(はらだ さとし)

研究領域:医療・介護・ヘルスケア

研究・専門分野
資産運用、オルタナティブ投資

経歴

【職歴】
2008年 大和証券SMBC(現大和証券)入社
     大和証券投資信託委託株式会社、株式会社大和ファンド・コンサルティングを経て
2019年 ニッセイ基礎研究所(現職)

【加入団体等】
 ・公益社団法人 日本証券アナリスト協会 検定会員
 ・修士(工学)

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