金融緩和政策の社債スプレッドに対する影響

2020年04月03日

(水野 友理那)

■要旨

社債スプレッドとは、同年限の社債利回りと国債利回りとの差である。社債スプレッドには、国債のリスクを基準としたときの、社債のリスクに対する市場の評価が表れている。ゼロ金利政策下において、社債スプレッドは縮小していた。本稿では、リーマンショック以降に実施された金融緩和政策により、社債スプレッドが縮小あるいは拡大していたかについて、AA格、A格、BBB格で区別し評価した。分析の結果、BBB格スプレッドに対して、包括的に金融緩和政策および量的・質的金融緩和政策が縮小に寄与していた。

■目次

1――社債スプレッドと金融政策
2――社債スプレッドに対する金融政策の影響評価
  1|モデル構築における基本的な考え方
  2|日本の社債スプレッド変動に関する重回帰モデル
  3|金融政策を考慮した重回帰モデル
3――金融政策による社債スプレッドへの効果の測定
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