OPECプラス決裂で原油価格急落~「怒りのサウジ」シェア拡大路線に転換か?

2020年03月09日

(上野 剛志) 金融市場・外国為替(通貨・相場)

■要旨

3月6日に開催されたOPECと非OPEC産油国の会合、通称OPECプラスにおいて、産油国が協調減産の拡大で合意できなかったことを発端に、原油価格が急落している。

WTI原油先物価格の5日NY市場終値は1バレル45.90ドルであったが、本日時間外市場では一時27ドル台まで下落しており、下落率は約4割に達している。

協議において減産拡大で合意できなかったばかりか、3月末までとなっている現行の協調減産の枠組みも延長できなかったこと(この結果、3月末で協調減産が終了することに)、今回の協議決裂を受けてサウジアラビア(以下、サウジ)が即座に増産姿勢を打ち出したと伝えられたことが、原油価格の下落に拍車をかけた。

■目次

1――OPECプラス決裂で原油価格急落
  1|OPECプラス会合決裂の背景
  2|決裂の意味合い
2――今後の注目点
3――日本への影響

経済研究部   上席エコノミスト

上野 剛志(うえの つよし)

研究領域:金融・為替

研究・専門分野
金融・為替、日本経済

経歴

・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
・ 2007年 日本経済研究センター派遣
・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
・ 2009年 ニッセイ基礎研究所

・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)

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