保険研究部 主任研究員 年金総合リサーチセンター・気候変動リサーチセンター兼任
安井 義浩(やすい よしひろ)
研究領域:保険
研究・専門分野
保険会計・計理、共済計理人・コンサルティング業務
3――事業承継税制
平成30年度税制改正の基本的考え方
2 デフレ脱却・経済再生
(2)事業承継税制の拡充
中小企業経営者の年齢分布のピークが60歳半ばとなり、高齢化が急速に進展する中で、日本経済の基盤である中小企業の円滑な世代交代を通じた生産性向上は、待ったなしの課題となっている。こうした中で、事業承継税制について、10年間の特例措置として、各種要件の緩和を含む抜本的な拡充を行う。
具体的には、施行日後5年以内に承継計画を作成して贈与・相続による事業承継を行う場合、
1) 猶予対象の株式の制限(発行済議決権株式総数の3分の2)を撤廃し、納税猶予割合80%を100%にひきあげることにより、贈与・相続時の納税負担が生じない制度とし、
2) 雇用確保要件を弾力化するとともに、
3) 2名または3名の後継者に対する贈与・相続に対象を拡大し、経営環境の変化に対応した減免制度を創設して将来の税負担に対する不安に対応する等の特例措置を講ずる。こうした特例措置を講ずるに当たっては、租税回避が助長されないよう、制度面・運用面で必要な対応を行う。
中小企業の事業承継の問題に対応するには、こうした税制措置だけでなく、予算措置も含めた総合的な支援を行うことが必要である。この中で、中小企業の後継者難については、後継者のマッチングなどを支援し、あわせて、関係省庁において経営者の個人保証の適正化に向けた検討を行っていかねばならない。
保険研究部 主任研究員 年金総合リサーチセンター・気候変動リサーチセンター兼任
研究領域:保険
研究・専門分野
保険会計・計理、共済計理人・コンサルティング業務
【職歴】
1987年 日本生命保険相互会社入社
・主計部、財務企画部、調査部、ニッセイ同和損害保険(現 あいおいニッセイ同和損害保険)(2007年‐2010年)を経て
2012年 ニッセイ基礎研究所
【加入団体等】
・日本アクチュアリー会 正会員
・日本証券アナリスト協会 検定会員