4|包括的な進行中の監督
単にモデルの変更を見直すだけでは十分ではない。保険会社が適用される要件を遵守しているかどうかを包括的に評価するために、BaFinはモデルを変更することなく、他の領域で確認する適切な決定を行ったかどうかを検討しなければならない。したがって、内部モデルの継続的監督の範囲は、適切に幅広くなければならない。
5|会社の適合要件と監督
効率的な継続的監督は、(現在は主に事前申請及び申請段階のレビューから得られる)モデル及び経験の知識に基づいており、承認された内部プロセス及び更なるモデルの進展を決定する分析の結果を最大限に活用している。したがって、法律制定者は、大きく適合した方法で定期的に検証するために、BaFinに対する上記の義務と保険監督法第120条(1)に基づく保険会社の要件を設計した。
検証の下で、会社自身がモデルの弱点を見直し、結果としての調整の必要性を特定する。会社は、法的要件を遵守して、BaFinに詳細な自己評価を提出する。また、モデルの変更の有無の意思決定を透明な方法でBaFinに通知する。検証報告書は、最低年1回のベースで会社によって準備されなければならないが、これがBaFinに継続的な監督の核となる出発点を提示する。BaFinは結果を検証し、綿密に調査する。
6|情報の幅広い基盤
BaFinは、内部モデルだけでなく、特にモデルとは独立して、会社のリスクプロファイルとリスク管理制度の詳細な知識を常時確保しなければならない。この知識は、BaFin自身の調査だけでなく、リスクとソルベンシーの自己評価(ORSA)、定期監督報告(RSR)及び定量的報告テンプレート(QRT)等の情報源から得られる。これらに加えて、BaFinは個々の保険会社に、モデルの較正に関する情報パッケージを定期的に提供させている。
7|ベンチマーキング:有望な手段
2016年に、BaFinは、ソルベンシーIIの下での情報の評価を開始した。この情報は、年間を通して定期的に提供され始めた。BaFinは、個々の会社の継続的監督の一環として実施された特定の分析の結果を議論し、これらをベンチマーク比較に統合した。このようなピアレビューは、業界と比較して会社特有の結果を評価する必要がある場合等、監督の対象となる会社について貴重な洞察を提供する。これらの分析は、リスクの測定や評価のための方法論的アプローチを開発する場合等、業界全体にとっても価値のあるものになる。さらに、これらは、一貫した監督評価と実践に貢献し、またマクロプルーデンスの見通しも考慮に入れられる。
BaFinはまた、EIOPA(欧州保険年金監督局)が実施する汎欧州のベンチマークレビューにも参加している。 2016年の市場リスクベンチマーク調査と、動的なボラティリティ調整のマッピングと国債からのリスクに関する2つの研究は、年度中に完了する予定である。
8|効率
効率性がある程度求められたとしても、高度な複雑さと個別性を認識しているのは内部モデルの批評家だけではない。しかし、重要なことは、BaFinがこれらのテーラーメイドのリスク管理ツールの監視から得られる機会と新しいチャンスである。
継続的にモデルを監督し洗練することは、疑いがなく、費用がかかり挑戦的な仕事である。BaFinと会社にとって重要なのは、情報の交換と関連するプロセスが全ての法的要件を遵守して、できるだけ効率的かつ効果的に行われることを確実にすることである。これは、主に限られたリソースを考慮して適用される。実際に得られた経験(たとえば、相互依存モデルの検証と変更プロセスに関して)は、活用されなければならず、改善の余地が特定されなければならない。長期的には、効率的で効果的で継続的な監督が、内部モデルの成功と市場の受入れに貢献することになる。
5―ソルベンシーIIの長期保証措置や移行措置の適用状況